9.水も滴るいい男 ページ10
いやー、私はびっくりした。
めちゃくちゃ怖い男だと思ったら、背は私より少し高いくらいで、綺麗な顔立ちの人だった。
大雨が降っていたからか、リヴァイ兵士長は髪が濡れていてとてもかっこよかった。これぞ前、本で読んだ
''水も滴るいい男''そのものだった。
思ったよりも優しそうで、タオルも受け取ってくれた。
リヴァイ兵士長はやっぱり私を見て驚いていた。
そりゃ、驚くよね。髪、真っ白だし。(厳密には銀)
耳はそこまでとがってないけど。
昔のトラウマがあって、また「病気みたい」って思われるか不安だった。
でも、リヴァイ兵士長は優しそうだった。
でもね、リヴァイ兵士長ってすっごくイケメンじゃない？！私、恋とかしたことないけど、なんか分かる！
移動だから当たり前だけど、なんか馬に乗ってきたというところが前に本で見た''白馬の王子様''と重なって…白馬じゃないけど…
なんか、すっごくロマンティック〜！
リヴァイ「おい、聞いてるのか？」
A「あ、あー！ごめんなさい！」
リヴァイ兵士長を客間に通し、紅茶を出した。
リヴァイ「ずいぶんと本が多いんだな」
A「ご、ごめんなさい！片付けたんですけど、置き場所がなくて…」
リヴァイ「別に…謝ることじゃねえ」
リヴァイ「紅茶か？どこで手に入れたんだ？」
A「私の先輩がシーナに住んでて、よくくれるんです。これはアッサムです。」
リヴァイ「ほう…いただく。」
A「はい！こんな遠くまで…お疲れ様です。リヴァイ兵士長。」
リヴァイ「あぁ。」
リヴァイ兵士長は独特なカップの持ち方をしていた。
調査兵団ではみんなこんな風に持つのかな？
A「お手紙読みました。私が候補にあるとかなんとか…」
リヴァイ「あぁ、そうだ。前回の壁外調査でかなり人員が減った。医療の技術がある者も、もうほとんどいない。」
A「そうなんですね…そんなに生還する人が少ないんですね…」
リヴァイ「あぁ…」
壁外調査は、生還率が低い…
聞いたことある話だが、経験のある彼の口から聞くと
さらにその事実の重みが増す。
リヴァイ「怪我人を看るヤツがいなけりゃ、壁外調査にはいけない。Aに無理に巨人を討伐しろとは言わないが…」
私は唾を飲み込む。
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作者名：ひより | 作成日時：2020年4月9日 4時
