【進撃の巨人】さらば物憂いよ。 (ページ2)

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1.過去編ページ2

リンゴーンリンゴーン

A「もうお昼かー！ん～！！」

私は伸びをして、お昼を買いに行かなければと思う。

私たちの生活を守るこの壁には鐘がついており、朝の6時、昼の12時、夕方の6時、そして調査兵団が帰還した時などの特別な時になる。

私は昨日の夜から薬研究に熱中してしまって気づけば1徹していた。
毎日のお風呂はしっかり入るが、ひどい時はめんどくさくなって食事を抜いてしまうこともある。

’'医師としてどうなのか''と自分でも思うが探究心というのはそう簡単には止められないものである。

研究室からでて、洗面所に向かう。

顔を洗ってから外に出ようと思ったのだが、鏡で自分の顔を見ると目の下に薄いクマがひっそりとできていた。

私はエルフだ。と言ってもハーフだが。エルフは肌が白く、髪の色素も薄いためクマができたり日に焼けると非常に目立つ。

まあ、普通の人間もクマができれば目立つのでそこまで変わらないような気もするが。

蛇口を捻って冷たい水で顔を引き締める。
顔を優しくタオルで包んで、水気をふき取り、
自分で作った化粧水を染み込ませる。

1徹によって悲鳴を上げている肌にせめてものお詫びのつもりだ。

お金だけ持って、家を出ると風が心地よかった。

こんな良いお天気の日は、薬草がよく育ちそうだと思う。

歩いて5分程のところにある野菜の無人販売所についた。

ここは田舎なので、街で食べ物を買ったりすることはできない。みな、野菜をそだてたり、イノシシ狩りをしたりして生活している。

缶にお金を入れるとニンジンとキャベツを取った。

A「うーん、家にパンはあったはず」

そんな独り言を言って帰路に着く。

道にはどんぐりが落ちていた。そういえば、今は秋か…
どんぐりを見ると昔の記憶を思い出す。

何年か前、患者であった女の子にもらったことがある。

その女の子は私の医師人生で初めて診察した人だった。

診察料は母親が払って、自分は何もあげられないからといってどんぐりをくれたのだ。当時の私は嬉しくて肌身離さず持っていた。

そしたら、数日後どんぐりから虫が出てきた。
本で調べると''シギゾウムシ''らしくせっかくだからと思ってビンに土を入れて飼育したんだっけ。

でも、それと同時に嫌な記憶も蘇る。