参話 事情 ページ5
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《沖田視点》
土方さんの指示通りその場に正座したあの子は ”
暗がりだったこともあって気付かなかったけど、この子綺麗だな。
鼻筋が通った端正な顔立ち、艶やかな髪。
薄い唇、小さい顔、切れ長で大きい眼。
声は低く澄んでいて、出で立ちは凛々しく背丈もある。
この子、ぱっと視たときに女か男かわからないなぁ。
何故昨日あんな所に出歩いて、浪士達に絡まれていたのか。
土方さんの質問を静かに聞いていた彼女...Aちゃんは、少しの沈黙の後ゆっくりと口を開いた。
× × ×
つい三日前の話である。
Aが暮らしている里は人が近づく事のない険しい山奥にある。
俗世から離れ数少ない里の一族とゆったりとした日々を過ごしていた。
Aがそんないつも通りの日常を過ごしていた時。
外で大きな物音がしてAと父親は様子を見に外に出た。
言葉を失い、頭に血が上りグツグツと煮立つ感覚。
目前に広がる惨劇。
それはA達が住む里の
「クソ、結界が何故…」
そう吐き捨てながら敵に向かっていく父にAも並ぶ。
「A！駄目！」
母の制止の声を聞こえない振りをしてAは敵に斬りかかった。
これはこの里で刀を扱えるのは限られた人数であることを突かれた奇襲だった。
父親とAは猛然と刀を振った。
斬っても斬っても立ち上がる敵。
鋭い発砲音と刀と刀の打ち合う音、そして木が爆ぜる音に交じって聞こえる悲痛な叫び。
静かな里の面影はなく、
背面に居る母を気に掛けながらも少ない仲間と一緒に闘う。
どんなに倒しても増え続ける敵。
戦力の差は赤子でも解る程歴然だった。
如何この場を切り抜けるか思考を巡らせていると、三発の銃声。
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アルム(プロフ) - 優奈さん» コメントありがとうございます(T_T)これからもゆっくりですが更新頑張ります！ (2021年7月9日 8時) (
レス) id: cdfe86e34f (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - まだ少ししかお話が出ていないけど、もう既に面白い！更新頑張って下さい！！応援してます！ (2021年6月20日 21時) (レス) id: 9adca48001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルム | 作成日時：2021年6月15日 8時
