【黒バス】一生言えない恋の話【短編集】

素直になれないのはきっと、/高尾和成/20↑/お酒ネタ ページ31

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慣れない飲み会。大学の人が多いサークル。

知らない名前の人もいるなかで、
うぇーいなノリに乗っていれば、私実はお酒に強いことが判明。



周りが酔い潰れるなか、私とその人だけはずいぶん元気だった。




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「Aちゃん、久しぶりじゃん！お酒強いんだ？」


「強くないよー、えへへ、周りが弱いだけー！」



もういっぽーん、と笑いながら“１”の指で手を上げる。


そういえば今、この人、久しぶりって言ったよね。誰だっけ。



ぼんやりとした頭で記憶の糸を手繰るけれど、一向に思い出せそうになくて、諦めた。



適当に加藤とか言ってりゃ当たるっしょ！うん！！



次話しかけられたら加藤でいいや、もー加藤で！
そう決めた直後、その加藤は私の前にドンと水を置いた。



「もういっぽん、やめとかねぇ？」



水にしときなよ、と宥められて、「私お酒強いからいけるよ加藤〜！」と揺らした。あ、加藤の肩を。


「あっ加藤って俺！？」


ぶっは、と加藤がふきだす。
えっていうか加藤じゃないの？違うの？！



「俺、加藤じゃなくて高尾なんだけどっ…!!!」



ひー笑った笑った、と未だ笑い続けている高尾･･くん、を見て、少し正気に戻った。
目の前に置かれた水を飲めば、さらに熱が引いていくような感覚になる。



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そして、思い出してくる“高尾和成”。



高校三年の委員会で一緒だった、よく笑う男の子だ。
そういえば、と次から次に出てくる思い出。


同じ大学だったんだ、知らなかった。
向こうは知っていたのかな。




―彼が笑い疲れて落ち着いたら、聞いてみることにした。





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