きゃ！どんどん強くなっちゃう！ (ページ39)

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お父様の部屋へ行くと、お父様とイルミがいた

「おかえりA。外はどうだった？聞かせてくれ」

お父様は私を隣に来るように促す

私はニコニコっと笑って隣に座る

『お父様ただいま！私外に出て初めて食べた物とか行ったところが沢山あってね！とっても楽しかったわ！』

お父様は微笑みながら私の話を聞いてくれる

『でも、私が楽しんでいる間はお家は大変だったみたい。キルアが泣いてたわ』

「キルが？」

お父様とイルミが少し驚く。

「そうか、アルカについて分かっていることを話すと…」

そうしてお父様はアルカとナニカについて分かっていることを教えてくれた

下手すると私たち家族も死ぬような能力なことはわかった。執事に任せることもできないということか。

「正直、ここまでとは思ってなくてさ。姉さんが居なくなって初めてヤバさに気づいちゃったわけ」

執事も一般人も相当死んじゃってさ、大変だったんだよねと話すイルミ

『それで、アルカはどうなるの？』

「しばらくは地下で過ごしてもらうほかない」

お父様はそれしか方法はないとでもいうような口ぶりだ

『私が戻って来れば元どうりにはならないの？』

お父様は頷いて私の髪を、頬を、そして肩を撫でた

その行動が酷く悲しかった。

だって、

アルカの自由と私の自由を天秤にかけて、お父様達は私の自由を選んだのだから

それにきっと、私が今まで通りアルカと接していたとしてもそれは根本的な解決にはならない
そしてアルカは意図せずとも多くの人を殺しすぎてしまった

『私、キルに大丈夫って言ってきちゃったの』

「キルはオレから言っておくよ。姉さんからは言いづらいだろうし。理由を話せば分かってくれる、これが家族の総意なんだよ」

『でもお父様、私、おかしいと思うの、だってアルカは男の子で、後継候補なんだから』

「後継はキルアと決まっている。」

『でもでも、』

「姉さんも分からず屋だな。
親父はアイツよりも姉さんのほうが大事なんだよ、
母さんもオレも姉さんが大切なんだ」

「！！」

私の目からは涙が溢れた
この複雑な心境をどう表現しようがある
筆舌に尽くしがたいこの気持ちを

大切な家族が、1人のためにもう1人を家族以下として扱う様子を、…地獄じゃないか

もう家族みんなでご飯を食べることもない現実を
アルカの存在は遠くの方へ追いやられていくであろう未来を

私はひたすらに大粒の涙を溢すしかできなかった