きゃ！どんどん強くなっちゃう！ (ページ11)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:163,307 hit

10 ページ11

「あれ？この辺だと思ったんだけど♠」

男は辺りを見回しながら言った

ちょうどお父様から連絡が来てコールを切る、するとメッセージが届いた

退避

それだけのメッセージを確認して目の前の男を見る

『こんばんは』

「わお♢全然気がつかなかった」

男の後ろに降りたって声をかける

彼は驚いたというより楽しそうに振り返った

『あなたどうして私を探していたの？』

私と同じくらいの歳に見える
その青年はトランプを指先で器用に回していた

「ん～…♡秘密っていうのはナシ？」

「でもなんとなく見当はついてるんだろう？」

『あなたは依頼を放棄してる…？』

「うん、そうだね♠だってゾルディック家相手に馬鹿な依頼だと思ったし、もう1人の暗殺者は大したことないし…これじゃあキミは殺せない♡」

『…』

なるほどね。ごくたまにある事態である。人殺しをしていれば恨みつらみは買うのが道理。きっと依頼主はいつかゾルディック家に親しい人を暗殺されたのだろう。

もう1人は遠くからこちらの様子を伺っているが襲ってくる気配はない。
今まで私の気配すら気がつかなかった自分が、私を倒せるとは思わないのだろう

『そう、見たところあなた…人の言うこと聞く風には見えないけれど』

「馬鹿げた依頼でも受けなきゃゾルディック家には会えないと思ったからね♡」

その前に、と不気味な笑みを浮かべた彼はトランプを放つ

少し離れたところで男の呻き声が聞こえた

仕事仲間を殺したらしい

私は身構えた。やっぱりこの男の目的は別のところにあった

「感じるよ…♡キミの強さ、その研ぎ澄まされた念…ハァ♡」

『(ヒィ…)』

恍惚の表情で血のついたトランプを舐めた
いつのまにか投げたトランプが男の手元に戻っていた

この男は戦闘狂だ！
目的は強い者と戦うこと、こういうやつが1番厄介なんだ。

事の全容が見えた今、なんとかして逃げなきゃな。

そう思った矢先、目の前から男が消えた

「ボクと闘ろう♡」

『！』