King of Curience【オリジナル】 (ページ4)

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授業終了のチャイムが鳴る。

今朝の出来事なんて忘れかけたまま、部活に急ぎ足で向かおうとしていた。

うちの陸上競技部は、校庭が無駄に広いから、野外活動が多い。

二年三組の下駄箱の、七列目の下から二番目。

俺の靴箱に、手を伸ばした。すると―

「何だコレ、手紙―？」

靴箱には、小さな便箋が入っていた。

便箋を開けると、また小さい紙が入っていた。開くと――

『本日の放課後、屋上で待っています』

「名前は・・・無い・・・って、ますます不気味だな」

差出人の名前は無かった。だが、奇妙な事に、今時の女子みたいな、所謂”丸文字”ではなく、大人が書いた文字みたいに、気味が悪いほど整っていた。

女子・・・子供ではなさそう、そんな予感がした。

ただ、気味が悪いとは言えど、行かずに待たせるのは人間として宜しくないな、と思い・・・

屋上へ向かった。

北校舎からしか入れないので、北校舎の階段を使った。

階段を上りながら、ふと思う。

俺は一体何をしているんだ。。。

もし、今朝の黒服の男たちだったらどうしよう。

・・・やっぱり、行くのやめようかな。

そんな考えごとに耽っている間に、屋上の扉の前に来ていた。

「・・・・・・・・・」

勢い良く、扉を開ける。

そこに立っていたのは――

女子生徒でもなく、黒服の男でもなく――

一人の、男の人だった。

普通の教師やらサラリーマンやらみたいな格好の。

「お待ちしていました。渡瀬悠様」

どこか懐かしい香りがした。

あれ、この人、前に会ったことあるっけ・・・

いや、待て待て、落ち着け、俺。

「あの、貴方は・・・てか、今、俺のこと”渡瀬悠様”って」

「申し遅れました。私は、貴方の遠い血縁、とでも申しましょう
マリウス・Ｇ・Ａと申します」

「遠い・・・血縁・・・？その、遠い血縁の人が、何をしに」

「長い説明になりますので、一言で申し上げさせて頂きます」

「渡瀬悠様。貴方が、次のキュリエンス王国国王陛下に選出されましたことを、ご報告しに参りました」

「はっ・・・？」