King of Curience【オリジナル】 (ページ14)

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11,oppidum ページ14

「いらっしゃい坊や！何か買ってくかい？」

テントの一つで果物を売っていたおじさんが、俺たちを呼び込んだ。

果物を売っているようだった。

「この辺りでは何がとれるんですか？」

「そうだな、この辺りだとチルギの実がとれるな。だがサラルシアの方に行けば、シュジクスとかがとれるぞ」

聞いた事のない地名や片仮名の集合体が、おじさんの口から発射されたが、後でメモしておこう。

「金なら俺が出すから。実はマリウスから小遣いをちょいとばかり貰ったから、何か欲しいもん選べ。」

「えと・・・じゃあ、さっきのチルギの実を三つ」

「はいよ！三つだね。２４ギルスだよ」

イグニスが子袋から小銭を取り出し、おじさんに手渡す。

「そういえばその格好、あんた軍のお方だろう。こんな所までわざわざ何用だい？」

「あぁ、・・・」

イグニスが俺のことを見た。

「・・・・このお方が、明後日に就任される次期国王、ヘルドバード王子だ」

「なんと、王子様か！これはこれは、失礼致した・・・。そうだな王子様、あんたカッコいいし、もう一個追加したるわ！」

おじさんは俺に手渡す筈の茶色い紙袋に、紅いチルギの実を一つ追加で入れた。

「そうだ、俺のカミさんがあっちで魚屋開いてっから、見に行ってくだせえ。カミさんには俺から伝えとくから、あんたたちは少しだけ他のとこ見て周ってくれや！」

「ありがとう、おじさん」

おじさんはニカっと笑うと、人ごみをかき分けて小走りしていった。

この町は、あんな感じの人が多いのだろうか。

「で、何処行きます？」

「何処でもいいよ。その辺を歩いたり、何か見たり買ったり・・・」

「・・・そうするか」

俺とイグニスは市の列に沿って、歩きだした。

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「いらっしゃい、あんたが王子様かい？ゆっくり見ていきな！」

しばらく市をうろついた後、俺とイグニスは果物屋のおじさんの奥さんの魚屋に来た。

ずいぶん大きい声で、明るく喋る気のいい奥さんだ。

「この町の人は、皆明るくていいですね」

「そりゃ、新鮮なもん食ってるからさ！」

すると、だんだん俺達の周りに人が集まってきた。

気が付いた頃には、百人近くの人だかりができていた。