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弟「兄者どう?」


兄『表門に2人。巡回が1人。巡回はそこから反対の位置で暇そうにしてる』


弟「OK、とりあえず柵越えよう。乙一さん平気?」


乙『いける!5秒以内に入ってね』


乙一さんが監視カメラをハッキングして、録画した映像を流している内に潜入。
さらに兄者さんにはドローンを駆使して先導を頼んでいる。
機械系はさっぱりな私にとって、この手法は驚きだ。


「兄者さん、低めに飛べばカメラの視覚には入りません。東の扉周辺を確認してください」


兄『Yes, ma'am』


弟「…ねえAちゃん」


「はい」


弟「この前してくれた昔の話でさ、お母さんのこと言ってたじゃない。
人質にとられて〜ってやつ。今回の件で被害いかないかな?」


「あ、それは…


兄『東、クリア。巡回もいないから今のうちに入れ!』


弟「…行こう!」


「はい!」


東にある裏口は、老朽化が激しく、新しい扉を建ててからそのまま放置していたものだ。

鍵もオートではなく旧式のもの。
屋敷にいた時は気にしていなかったが、潜入するとなるとピッキングしやすくいい扉だ。


「乙一さん、準備できました」


乙『了解。じゃ321で電気落とすよ』


カウントと同時に扉を開けた。
今回の作戦は、ホテルで2broと対峙した時の方法によく似ている。
監視カメラや電力を乗っとってやり返したい、という乙一さんの希望だ。


弟「いこう」


先に入った弟者さんが敵の有無を確認し、小声で私を呼ぶ。
屋敷内は、深夜ということもあってそれほど人の気配はしない。
しかし停電の影響で、戸惑う声がちらほらと聞こえる。


「おい、なんだってんだよこんな時間に」


「さあな、随分点検してねえからそのせいだろ」


角を曲がる直前で、敵が通路を通り過ぎた。
壁にひたりとくっついた私と弟者さんは、息を殺し遠くへ行くのを見送る。

おそらく電力は5分ほどで元に戻る。
だからその間に先手を打つことが重要だ。

「いきましょう」と目線で弟者さんに伝える。
急ぎ足で、それでも物音は立てずに広い屋敷を進んでいく。


乙『その先の階段、1人確認。上に登ってるよ』


「まいったな最短ルートなのに…」


弟「大丈夫、俺に任せて」


歩みを遅くした弟者さんは、そろりと背後に近づく。
階段を登りきった踊り場で、首筋あたりに打撃をお見舞いした。
がくりと意識を落とした敵が倒れないよう横に寝かせる。

軽快にチョップをくらわした弟者さんに頼もしさを覚えつつ、先を急いだ。

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キエ(プロフ) - ユメさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2019年4月29日 22時) (レス) id: 7ecf668470 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 内容こってて好きだな (2019年4月29日 1時) (レス) id: 8bc30f3fbe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キエ | 作成日時:2019年3月31日 22時

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