月の子２-もうひとりのかぐや姫-【カカシ、オビト夢】

33「サスケと目的」 ページ33

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サスケの事といい、霧隠れの事といい。
不安が募るばかりだ。

霧隠れのことは綱手様がなんとか手を打ってくれてる。
今はサスケの方が気になる。

『こんなところにいたんだね、サスケ』

ここは昔、サスケとイタチと一緒に修行した演習場。
今も丸太や的が残っていて、当時を思い出させる。

サス「チッ。カカシの次はお前か」

そういえば先生はサスケに説教しに行くって言ってたっけ。

サス「なんの用だ」

『心配になって…。イタチと会ったでしょ』

力の差は歴然、格下だと思っていたナルトの成長…。
そして大蛇丸の呪印。力を与えるとかなんとか、サスケを唆してる。今のサスケが、大蛇丸の力を欲しがってる事くらいわかる。

サス「お前には関係ないだろ」

『関係なくないよ。仲間なんだから』

サス「仲間…。関係なくもないか、お前にとっては」

『？』

サス「カカシから聞いた。お前、霧隠れに行ってもいいと思ってるだろ」

そんな、そんな事ない。木の葉の忍びを辞めなくとも、母は取り返すつもりなんだから。
でもなんでだろう。心の奥に響く感じは。

『カカシ先生が、私が霧隠れへ行くかもしれないって？』

サス「いや、あいつはそこまで言ってない。だが俺にはわかる。俺と同じように、お前も目的があるからな」


目的…。仲間を大切に思っていても、木の葉の忍びであろうとも、持ってしまった宿命は忘れられない。

『サスケは復讐、私は母を諦められない。それでも、仲間を捨てるなんてことできるの？ もしその目的を達成したら…今度は仲間のことを忘れられず寂しい思いをするんだよ』


自分で言って、自分に返ってくる。私も同じような立場なのかもしれない。

サス「……」

サスケにもまだ迷いがあるみたいに俯いて目を閉じた。苦しそうに顔をしかめ、思考する。



サクッ
クナイが的に刺さる。

視線をサスケに戻した時にはもう居なかった。

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