25「先生のおうち」 ページ25
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夕方ごろ
入院時の着替えの荷物を持って、先生の家へ運ぶ。
『先に洗濯しますね』
カカ「なんでもしてもらっちゃって、すまないね」
『病み上がりなんですから、気にせずゆっくりしててください。先生、好きな食べ物は何ですか?』
カカ「えっ作ってくれるの? じゃあ焼き魚お願いしちゃおうかな」
『まかせてください』
買い出しは影分身に任せて家事を行う。
今日は先生の身の回りのことを全部やるくらいの意気込み。なぜなら、今日こそは先生の過去を話してもらうんだから。
先生は椅子に座りながらイチャパラを読んでは、たまにこちらを見てくる。
秋刀魚を焼いてると、本を閉じて頬づえをついて凝視してくる。
カカ「ン〜、いい匂いしてきた。Aはいい嫁さんになりそうだよね」
『熱っ』
嫁さんとか、別に単なる褒め言葉に動揺したわけじゃない。ただ油がはねただけだ。
カカ「大丈夫? あ、頬っぺたやけどしちゃったね」
心配そうに駆けつけてくれる。
カカ「氷とってくるよ」
『だ、大丈夫です。治せますから』
カカ「あーそうだったね」
ああ、しまった。せっかくの優しさを無駄にしてしまう。でも医療忍者がこれくらいのやけど、自分で治さないのも不自然だし…。
カカ「んー、何か手伝うことある?」
『そうですね。もうすぐできますから、お米とお味噌汁よそって下さい』
カカ「りょーかい」
秋刀魚に大根おろしとすだちを添えて、副菜を2品ほど小鉢につける。
カカ「わあ美味しそう。いただきます」
『……』
カカ「ん?どうしたの? 顔に何かついてる?」
気付いたら、ご飯を食べる先生を凝視していた。なんで凝視してしまったのだろうと考える程、頭が混乱する。
そうだ、先生の素顔を初めて見るからだ。
今まで神がかった絶妙加減で、7班の誰もが先生のマスクの下を見れなかった。
それが、こんなにも呆気なくお披露目されるとは……
カカ「あ、そっか。俺がマスク外したから見てんのね」
コクコクと頭を縦に降る。
カカ「みんなそんな顔するのよね、ん!秋刀魚美味しい!すだち添えるなんてわかってるねー」
まるで今まで別に隠していたわけじゃなくて、たまたまマスクを下ろす機会がなかったかのように、今普通に姿を晒しているのが不思議だ。そもそも、なんで隠してたの?ってくらい綺麗な顔立ちだった。
敢えて理由があるとすれば、口下のホクロくらいだろうか
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石セー(プロフ) - じゅりさん» じゅりさん初めまして!読んで下さってとっても嬉しいです^ ^ありがとうございます!更新頑張りますー! (2019年5月20日 21時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 初めまして!更新楽しみにしてます頑張ってください! (2019年5月17日 6時) (レス) id: 9e6c1be654 (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 名無し65455号さん» 初めまして、コメントありがとうございます。読んで下さってる方がいるんだなあと実感して感動しています。随時更新して行くのでよろしくお願い致します^ ^ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - 初めましてこの作品読んでみて楽しみにしていますこれからも更新頑張って下さい! (2019年4月3日 13時) (レス) id: 1e5a33a9df (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 咲空さん» コメントとっても嬉しかったです。ありがとうございます!おかげさまで少し自信を持てました。主人公設定まだまだあるので楽しみにして頂ければ幸いです^^ちょうどプロットを練り直していたので更新が止まってしまいました。近々更新を再開します。 (2019年4月2日 16時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤成 | 作成日時:2019年3月10日 16時