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8話 おかえり ページ10

〜伊黒side〜



あのまま急に屋敷を出てきてしまった…

Aはどう思っただろうか…




でも、まだAに本当のことを言うことはできない…





焦りとAと過ごす朝の時間を邪魔された怒りで任務はすぐに終わった。





Aはどう過ごしているだろう、

Aと出会ってから半日も屋敷をあけたことはない。





それは、決してAが心配だった訳ではなく、

ただ、俺が離れ難かっただけだろう。





徐々に日が落ち、屋敷に着く頃には

星が煌々と輝いていた。




ガラガラ





伊黒「A、今帰った」



「……………」



シーンと静まりかえる屋敷。

俺の声だけが虚しく響き渡る。





いつもなら数時間の任務後でも、

Aは忠犬のように潤んだ瞳で玄関まで迎えにきてくれたものだ。




なのに今日はなぜ、


俺は少し嫌な予感がした。





真っ暗な屋敷、


今朝、共に朝食を食べた部屋の食器はきちんと片付けられていた。




がたがた






風の吹く音で襖が揺れる。


どうも、隣の部屋の障子が開いているようだ、





伊黒「A…」

よぎる不安を振り払うように





バンッ




俺は意を決して、隣の部屋に続く襖を開けた。



するとそこには縁側ですやすやと眠るAの姿があった。


伊黒「ったく…」


彼女を一目みるだけで、全身の筋肉の緊張が解れる気がした。とまっていた呼吸も再開する。

心配させるんじゃない、まず、こんな無用心な…
と、悪態の一つもつきたくなるが

A「…師範」


眠りながらも、こんな愛おしそうに俺の名を呼ぶ、彼女を前にすると何一つ言葉が出てこなくなる




彼女は一体どんな夢を見ているのだろう?


彼女の夢の中の俺は、どんな人物なのだろう?





彼女に出会ってから、俺の頭は彼女のことばかりだ



伊黒「これは相当末期だな…」


自分に悪態をつくのが精一杯だった。





フワッ




俺はAが風邪をひかないように、自分の羽織をかけ、そっと部屋を出た。

9話 羽織→←7話 訳が知りたい



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設定タグ:鬼滅の刃 , 伊黒小芭内   
作品ジャンル:アニメ
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時

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