40話 正直になりたい ページ42
A「師範ごめんなさい…師範はいつも私のこと大切にしてくれていたのに…」
伊黒「気にするな。俺が好きでしていたことだ。」
子どもをあやすように、
再び涙を流す私の頭を撫でてくれた。
伊黒「だが、甘味のことも、部屋のことも、これでは男として格好がつかないな」
師範はそんなことをぽつりと言うと、
私の大好きな優しい声で
私の名を呼んだ。
そして、左右非対称の美しい色の目が真っ直ぐに私の瞳を射抜く。
伊黒「A」
師範に名を呼ばれるだけで、
鼓動が速まる
体中が熱くなる
もうこの気持ちには抗えない。
自分でもわかってる。
私は師範が好きだ。
いいや、伊黒小芭内という一人の男のことが好きなのだ。
出会ったあの日からずっとずっと彼に恋をしていた。
でも…
バッ
私は立ち上がり愛する人に背を向けて、
まだ降り頻る雨の中に駆け出した。
私みたいな人間が師範を好きでいていいわけない。
私みたいな人間が師範みたいな素敵な人と一緒にいていいわけない。
私みたいな人間が師範を幸せできるわけ…
幸せが怖かった。
子どもの頃のようにいつか崩れ去ってしまうのではないかと…
もう二度と愛する人を失いたくなかった…
もう二度と愛する人を不幸にしたくなった…
だから、彼から離れなければそう思ったのだ。
でも、
ギュッ
それでも、彼を求めてしまう自分がいる。
背中から伝わる彼の熱で、
そう思わざるをえなかった。
伊黒「逃げるな… 」
愛おしい男の弱々しい声が耳元に響く。
伊黒「頼む…逃げないでくれ…」
そう懇願する彼の表情は今にも壊れてしまいそうだった。私の腰に回された腕も震えている。
A「私じゃ…私じゃきっと師範を不幸にしてしまうから…」
ギュッと強く握られた師範の腕を解こうとするが、より一層力を込められた。
伊黒「お前がくれる不幸なら俺は喜んで受け入れる。」
A「それに、私幸せが怖いんです…あの日みたいにいつか失ってしまうんじゃないかって…」
伊黒「では、俺は俺の全てをかけてお前の幸せを守ると誓おう。」
そう言った彼の目は本気だった。
今にも自分の命まで簡単に投げ出してしまいそうだ…
でも、そうじゃないのに…
A「それじゃ私、幸せになれません。私は師範とずっとずっと一緒にいたいんです…」
彼は驚いた顔をした
A「だから…」
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます！続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね！ (2020年2月4日 0時) (
レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます！続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます！ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます！伊黒さん素敵ですよね！またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び） 楽しかったです！推しは伊黒さんです！楽しかったです！(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃたん | 作成日時：2020年1月13日 11時
