【鬼滅の刃】蛇の師範と恋のお話

14話　家族のケジメ ページ16

目の前には妹の変わり果てた姿があった。
細い目に尖った牙、前髪の隙間からはツノが見える。




妹の姿はまさに鬼だった…




鬼になった人は、殺さねばならない…

家族がなんとかしないといけない…




でも、母は、妹を庇った…。


あれは偶然じゃない。

母は偶然前に出たわけではない。
妹を庇って自分が盾になったんだ…



そして、私は知らず知らずのうちに妹を殺そうとしていた…


考えただけで、全身から血の気が引き、
手が震える…




だけど、
　

だけど、鬼は家族がなんとかしないと…



それが、家族のケジメだ…



家族として、鬼になった家族に最後にしてあげられることだから。



この地域では、子どもの頃からずっとその教えを受けてきた。


A「お母さん…私はどうしたらいいの…」



グルルル



「お姉ちゃん」そう明るい笑顔で私を呼ぶ妹が脳裏に浮かぶ


A「……」






できない…




やらなくちゃ




できない…




ケジメをつけなくちゃ




だめ…





殺ろうと思う度、妹との、家族との思い出が蘇ってきて、包丁を握る手に力が入らなくなる…




A「………だめだ、できない…」


私はその場に跪ずいた。



シュッ



それからすぐ、
妹は私に目もくれず、街に出ていった。



A「ごめんなさいごめんなさい、私できなかった、ごめんなさい許して、許してください…」




私はただひたすらに泣き崩れた…

15話　罪→←13話　現実

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す