気が付いたこと ページ45
「私がわかったのは、先生がクィディッチの審判をする、と聞いたからです」
「なぜそれでわかる」
スネイプ先生は口イルを少し噛む。
「前回ハリーが死んでしまいそうになったからです。だから今回、もうあんなことがないように、先生は審判を買って出た」
Aは淡々と口を動かす。
「しかし、そうではないかもしれん。もしかしたらグリフィンドールを減点させたいがために審判になったのかもしれん」
「それは有り得ません。なぜなら先生はもうグリフィンドール生から１００点でも１０００点でも引ける
だから、今更必要ない、と言う目の前の少女の目には光が入っていない。そのことにスネイプは、うすら寒いものを感じる。
それに気が付いていないかのように、Aはなにかを思い出したのかのように、ああそれと、と付け加えた。
「先生がハリーを守っている、ということに対しての理由はあともう一つ。これも前回のクィディッチのことになりますが、先生は前回、ハリーが箒から落ちそうになった時、助けようとしていましたね。だからです」
あの時、魔法をかけていた――――口を動かしていた先生は二人。クィレル先生と、スネイプ先生。
「私、田舎育ちだから目が良いんです」
だから、クィレル先生も口を動かしていたの、わかりました。ニヤっと少し自慢をするように、悪戯っぽく笑う。
「多分、なんですけど。アレ、ハリーが落ちそうになったのってクィレル先生がやったことですよね」
杖を使わなくても魔法、呪いをかけることはできる。ただし、杖を使う、それ以上にきちんと発音しなければいけない。
あの時、スネイプは大きく口を動かしていた。それは、より強力に魔法をかけていたから。
「それだけで考えると、先生がハリーに魔法をかけて、落とそうとしていたってことになりますけど、私、見たんです」
途中、ハリーの箒が安定したところ。
囁くように少女は言う。
「私――――どこへとは言えませんけど――――ちょーっと移動したんですね、あの時。それで途中でクィレル先生とぶつかってしまって……。まあ、ついでみたいな感じでハリーの様子を見たら、安定してたんです。箒」
彼女曰く、「その時は気が付かなかったが、今さっき気が付いた」らしい。
スネイプは小さくため息をついた。
「ああ、確かにお前の言う通りだ。サトウ」
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作者名：蒼使ヰ | 作成日時：2020年6月3日 19時
