どうもこんにちは日本人と賢者の石です。其の二。 (ページ24)

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トロールとの対決ページ24

入って来たのは、ハリーとロンだった。

　トロールがハーマイオニーの一メートルほど手前で立ち止まり、こちらに――――ハリーとロンの方に向きを変える。

　そして、棍棒を振り上げてトロールはハリーに近づく。しかし、棍棒が振り下ろされる前に、また声がかかる。

「やーい、ウスノロ！」

　ロンが反対側から叫んで、金属パイプを投げつけたのだ。投げたパイプがトロールの肩に当たり、立ち止まる。そして今度はロンの方にその小さな頭を向けた。

「走るんだ！」

　ハリーの一喝にAは意識を取り戻したのかのように、ハーマイオニーの所まで走り、彼女の手を握る。

「ハーマイオニー、今のうちだよ。逃げよう！」

　しかし、ハーマイオニーはトロールを見上げたまま動かない。「ハーマイオニー！！」

　叫び声とその木霊がトロールを逆上させてしまったようだ。トロールが唸り声をあげ、トロールを引き付けるため、一番近くにいたロンの方に向かって走る。

　Aハーマイオニーのローブを引っ張るが、ビクともしない。

　どうしよう、と助けを求めるかのように周りを見れば、涙でぼやけながらも見えたのは、散乱したお手洗いと、ロンに迫るトロールと、そして、そのトロールに飛びついているハリーだった。

　ハリーはトロールの首根っこにつかまり、首にぶら下がっている。そして、彼はサッと杖を出す。なにか魔法をかけるのか、と思われたその瞬間。

　トロールの鼻に、ハリーの杖が深くささった。

　相当の深さだったらしく、トロールはその痛さに唸り声をあげながら棍棒をメチャメチャに振り回す。しがみついているハリーに、自分の鼻を痛くした彼に強烈な一発を棍棒で食らわしそうになる。

　片手が重くなった、と思ってハーマイオニーのローブをつかんでいた方の手を見てみれば、彼女はヘナヘナと、Aの腕に縋りつくように座り込んでいる。

　そして今度、Aがもう一度目を戻せば、ロンが自分の杖を出すのが目にはいった。

「ウィンガーディアムレヴィオーサー！」

　彼が唱えたのは紛れもない「物を宙に浮かす魔法」。彼は今まで、うまくできていなかった、とAはハーマイオニーから聞いた。またしても無理なのではないか――――しかし、そうはならなかった。

　トロールの持っている棍棒がフワリ、とたしかに宙に浮いた。