どうもこんにちは日本人と賢者の石です。其の二。 (ページ12)

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どうしようページ12

夕食時、Aはハリーのことが気になって、いたが、大丈夫だったらしい。

　マルフォイが「ポッターに今夜、『魔法使いの決闘』を申し込んできた」と言っていたからだ。

「魔法界にも決闘って」

「あるさ。もちろん」

　マルフォイに聞けば、即答だった。

　決闘は人間界の決闘と同じように戦うことだが、違うのは当然、杖を使う事、そして介添人(かいぞえにん)――――戦いを申し込まれた相手がもし、何かあって亡くなった場合、代わりを務める人がいることだ。

「ま、行かないけどな」

　マルフォイが至極当然、といった顔で言ったので思わずカボチャジュースでむせた。「行かないの？なんで……」そこまで言って、なんとなく想像がついた。

「マルフォイ、もしかして、ハリーに夜の校舎を歩かせるつもり……？」

　ジト目で彼の顔を見れば、鼻で笑われただけだった。

　さて、どうしよう。Aは自室で少しばかり想像を巡らせる。

　ハリーに直接、マルフォイは来ないよ、と言えば？ ――――マルフォイはいつもハリーを見てるんだ。バレてしまう。

　いっそ黙って、ことを見守ったら？先生方に見つからないかもしれないし、見つかってもそう簡単に退学処分にするかな？ ――――いや、確かに退学にはしないだろう。しかし、先生がああいったのは、夜のホグワーツが危険だから……という可能性もある。友達を危険な目に遭わせるわけにはいかない。

　自分がその時間に、その場所に赴いて、伝える――――これだと先生に見つかった場合めんどくさいな……いや、逆か。見つかったら先生がハリーを見に行ってくれる。こっちのほうが安全だし。

　よし、と想像がまとまった。

　ハリーの安全のために、夜、トロフィー室に行こう。途中、先生に見つかるようになるだけ足音高らかにして。

　十一時四十分。Aは談話室の椅子でうつらうつらしていたが、ハッと覚醒した。談話室には彼女以外誰もいない。

　マルフォイ達が現れない決闘までそろそろだろう。Aはパジャマの上に適当なパーカを引っかけて、ゆっくりとスリザリン寮のドアをスルリと通り抜けた。

　暫く薄暗い廊下を歩き、階段を上がったりした。そしてもう一枚ある扉を開けると、そこはもう大広間に続くちょっとした空間だった。地下牢寮にいたからわからなかったが、月が出ている。高窓から月の光が廊下に縞模様をつくっている。