28話 ページ29
，
「へぇーお前雄英生なんだなぁ、しかもヒーロー科」
ある程度話していると高校はどこか聞かれたので【雄英】と伝えると口に弧を描いたトムラさん
自己紹介は最初の方にしてお互い名前だけ教えあった。
最初は少し怖かったけど話していくうちに普通の人(少し変わっているけど)ということがわかってきた
そして突然、頬に手を添えられる。
ひた、と冷たいザラついた手が俺の頬を撫でる。なぜか、一本だけ指を触れさせずに
「なぁ、A。俺の個性ってなんだと思う？」
勝己と同じ、赤い眼で見つめられる
「もし、俺がこの5本指が触れたものを破壊する個性だったら、お前はどうする？」
「ヒーローに助けを求める？逃げる？泣く？それとも、俺を殺す？」
いや、突然すぎるやろ。
流石の俺も話についていけない。さっきまで仲良く談笑してたのに…
と、とりあえずなんか言っといた方が良いのだろうか。
『今俺と話していた“トムラさん”はそんなことしないです。』
赤い眼をしっかり見つめ返しながら答える。このときの俺に危機感も恐怖心も無かった
いわゆる深夜テンションだ。
「なーんて、冗談だよ。驚かせて悪かったな」
パッと笑顔になるトムラさん。
この時俺が感じたものは既視感だった。
それは、いつもの俺の笑い方。そう、作り笑いと全く同じ笑顔だったから。
離されたはずの彼の手をとって、ぎゅっと握る。
『トムラさん。なんで作り笑いするんですか？…いつもの俺と、同じ笑い方』
「……よく、気づいたな」
『俺、こう見えて困っている人がいたら放って置けないタチなんです』
もう一度、彼の顔に目を向けるとさっきの作り笑いじゃなくて、優しく微笑んでいた。
その時俺の心臓はドクン、と大きく動く
きっとこれが人生で一番心臓が動いた瞬間だった。
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1018人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけはる(プロフ) - 面白かったです!!更新楽しみに待ってます！ (2023年2月8日 2時) (
レス) @page38 id: 7728ea03fe (このIDを非表示/違反報告)
るいす0317 - だいっすき！！！！かっちゃん可愛いトムラ可愛い！！！応援してます更新待ってます！ (2022年10月29日 13時) (レス) @page30 id: 0614e5eebb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 20時) (レス) id: f29c562e47 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - すっごくおもしろいです！！！更新頑張ってください！ (2022年10月7日 23時) (レス) id: 6a97180fe7 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 僕って凄い！こんな神作品見つけちゃうんだもん (2022年10月6日 22時) (レス) id: d844317abe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：須賀 | 作成日時：2022年10月5日 21時
