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155話(said:E) ページ5

 
「ゆきだー!」
「おぉ、積もったなぁ」


爆弾低気圧到来の影響で、東京にも雪が降った。
といっても、北海道とか雪国みたいなどか雪じゃなくて、地面にちょっと積もってる程度だけど。
普段ならこの雪の影響で、交通が乱れたりとかで慌てふためくけど、今日はAと一緒にスーパーへの買い出しだけだから、2人して雪道をのんびり歩く。
行き交う人がみんなして慎重に歩いていくのをぼんやり眺めてると、前から小さな悲鳴が聞こえてきた。


「いたいぃ〜」
「おわ、A、大丈夫か?」


水分を含んだ雪のせいか、Aが見事にすっ転んで、尻餅をついていた。
慌てて助け起こす。よかった、泣いてない。


「びっくりした。すべるね」
「そうだな。気をつけて歩かなきゃだな」


えへへ、と笑うAが、楽しそうな足取りでまた歩き出す。
北海道の時もそうだったけど、雪を踏みしめた時の感触が好きみたいで、ぎゅっきゅっと足踏みしたりしているのを、微笑ましく見る。
俺を振り返っては、足跡ついた、なんて無邪気な笑顔を見せてくれる。
めっちゃ可愛い。


足元に視線を落とすと、Aの小さな足跡が続いている。
その足跡の上に自分の足を重ねてみると、案の定、Aの小さな足跡が消えてしまった。
俺の足跡で上書きするように、Aの足跡を消しながら歩いて、Aの目の前で足を止める。
俺の後ろを見たAが、あっと、声を上げた。


「私のあしあと なくなっちゃった」
「なくなっちゃったな」
「私がしても なくならないね」
「Aの足は小さいからなぁ」
「お兄ちゃんの足はおっきいんだねぇ!」


俺の足跡の横に自分の足を並べながら、大きさを比べて楽しんでいるA。
こういう些細な違いひとつで、こうも楽しそうにしてくれる姿が可愛らしい。
はしゃぐAの姿を見て、俺も自然と笑顔になる。


「私のあと着いてきてね!」


そう言ってAが雪の上を歩き出す。
少し先で立ち止まり、振り返ったAの所まで、小さな足跡を消しながら歩く。
また先を歩き出したAの足跡を消して歩きながら、スーパーまでの道のりを楽しんだ。


 

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ねい(プロフ) - 平部員さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。書き終えた私も今後の展開を色々と想像するのが楽しいです。最後まで読んでくださってありがとうございます! (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー`*)さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。無事完結することが出来ました。読んでくださってありがとうございます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - かなり時間が経ってしまいましたが、完結おめでとうございます!!!!完結したいま、この先を想像するのが楽しいです(笑)ほっこりするお話をどうもありがとうございました!!! (2018年7月22日 17時) (レス) id: 4be846ef1b (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー`*) - 完結おめでとうございます! (2018年7月20日 19時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - すうさん» ありがとうございます。少しでも彼らの幸せな1場面を書きたいという自己満の思いから書き続けてきましたが、少しでも彼らの幸せがすうさんにも届いていたのなら書き手として嬉しい限りです。彼らにはこれからも笑顔と幸せ溢れる日常を過ごしてほしいと願っております。 (2018年7月12日 20時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねい | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年1月9日 22時

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