【Dr.STONE】科学少年の隣で

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　その作業の辛さは想像を遥かに超えていた。

　「クッソ、もう腕がパンパンになってきたぜ」
　「休んで温度下げんじゃねえぞ」
　「あと何分続けるんだこれを？」
　「そうだな、ざっくり数十時間」
　「製鉄ヤベー!!!!」

　話す気力もなくて、スイカちゃんとほぼ同時にバタリと地面に倒れる。

　「お姫様にしちゃよく頑張ったぞ！」
　「スイカも無理するな、休んでおけ！」

　千空とコハクから掛けられる優しい言葉が少し辛い。
　……もう少し鍛えていれば良かった。




　あれだけ頑張ったのにもかかわらず、砂鉄は砂鉄のまま姿を現した。

　「マンパワーが最優先だ」
　「科学王国民増やすっきゃねー」

　全員の心は一致した。
　銀狼は槍で買収できそうだけど、他の村人はそうもいかない。
　まず、村人が何を欲しがっているのか、情報収集に名乗りを上げたのはスイカちゃんだった。

　「ただのスイカになれるから、コッソリいろんなとこ行けるんだよ」

　そう言って頭に被っていたスイカの殻にすっぽりとおさまるスイカちゃん。
　テレビ出れるわよ。……どんな身体してるの。




　夜。焚き火を囲んで、スイカちゃんの報告を聞く。

　「何か欲しがってる人がいないか、コッソリ聞いてきたんだよ!!まず、ガーネット、サファイア、ルビィの三姉妹だよ」
　「おぉ、村一番の綺麗どころだ」
　「この時代の科学で作れるモンだとおありがてえがな」
　「３人がすっごく欲しがってるモノは───彼氏だよ！」
　「絶対科学じゃ不可能なのきた!!」
　「好みのタイプとか言ってた？」
　「ガーネットは強い男、サファイアはイケメン、ルビィは奢ってくれる人が好きなんだよ」
　「欲望に果てしなく忠実だな」
　「そう？随分控えめじゃない？旧時代は条件二桁なんて普通にあったわよ」
　「恐ろしい世界だな…。私から見れば千空もなかなかの色男だが、サファイアの言うイケメンとはそういうことでもなさそうだ」
　「たいてい顔の次に何か条件が加わるものね」

　昔も今もこういう話は楽しいわね。

　「おぅおぅ、勝手なことばかり言いやがって。だから俺は女は嫌いだっつってんだろ」
　「お子ちゃまだな、クロムは！ルリ姉や私も女だが嫌いか？」
　「コハク、テメーは女と思ってねえよ、ゴリラだしな」

　直後にコハクに凄まれて土下座するクロム。
　なんか小学生の男の子みたいね。

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