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「何人いんだ、ここに…」
「隠居と子どもの数は忘れたが、それ以外だと確かちょうど40。……それより二人とも土汚れで凄いことになってるぞ。このお湯に布でも浸して拭いたらどうだ？」
コハクの言葉に甘えて手頃な皮をお湯に浸して、まずは千空を拭く。
千空の顔が綺麗になったところで自分の番。顔を拭いていると、何かがぶつかる音がしてコハクの鋭い声が響いた。
「狼藉はやめろ金狼銀狼！私を救った恩人だぞ!!」
「いやぁダメでしょ、コハクちゃん。余所者はダメってのはこれもう決まりだからねぇ」
「シンプルな話をしている。ルールはルールだ」
背を向けているから姿は見えないけど、知らない男の人の声が二人分。まだ少年らしさが抜けてない声と生真面目な印象を受ける声だ。
「ねえ、お顔綺麗になってる？」
「相変わらず人形じみて綺麗な顔してるぞ」
「あら、ありがとう」
その間にも、"村の外には人間はいない" "余所者=過去に追放された罪人"という会話が背後から聞こえてくる。どうやらこの村の人々はかなり狭い社会で暮らしているらしい。
くるりと振り返ると、漸く目が合う。目付きが悪い生真面目そうな青年と、少し気弱そうな少年だ。
「御機嫌好う」
柔らかく微笑みかけると少年の肩が跳ねる。
「余所者なのは認めるけど、罪人扱いは嫌ね。……わたくしはそんなに怪しく見える？」
少年の方に歩を進めて、吐息がかかりそうなほど近くに顔を近付ける。
「い、いやぁ、そんなことは……」
少年は分かりやすく頬を染めて、視線を彷徨わせた。
うん、この子は落ちたわね。
ターゲットを生真面目そうな青年に変える。
「ねえ、わたくしが村に害を為すような人間に見える？見ての通りただのか弱い女よ」
青年の頬に手を添えても表情は変わらない。
「どんなことをしでかすか分からない人間を入れるわけにはいけない」
「身一つで大層なこと出来るわけないでしょう？……そんなに疑わしいなら、好きなだけ調べても構わないわよ、わたくしの身体」
「なッ!?」
青年が顔がやっと動揺の色を見せた。
「門番がこの手で触って確かめるんだもの。誰も文句のつけようがないわ」
するりと手を撫でると、青年の頬が染まる。
「…ッ、ルールはルールだ！」
しかし、青年はふいと背を向けてしまった。
「あら、お堅いのね」
「おっかねえ女だな」
「魔性の女だな」
千空もコハクも酷い言いようね。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね！ (2021年3月30日 7時) (
レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ！ 頑張って下さい ！ (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影ゆき | 作成日時：2020年5月23日 20時
