【Dr.STONE】科学少年の隣で

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　杠を起こすために復活液を携えて出ていった千空と大樹が、石像のままの杠と霊長類最強の男を連れて帰ってきた。

　「まあ、見ないうちに逞しくなったのね……ってボケるところかしら」
　「それは必要ないぞ」



　千空から事の詳細を聞く。

　「あらあら、ライオンに襲われたの。……起きて早々、二人がお世話になりました」
　「礼には及ばないよ。改めて獅子王司だ！司で構わないよ」
　「この世界じゃ苗字も意味ねぇわなあ。アタマがマトモな科学担当千空とアタマが雑な体力担当大樹だ」
　「頭が雑な大樹だ、よろしく！考えることは全部千空に聞いてくれ！」

　大樹と司が握手を交わす。 大樹はその自己紹介でいいの…？

　「で、そこのお姫様がA。頭が偏ってる清涼剤担当の紅一点だ」
　「まあ、雑な紹介だこと。Aです、どうぞよろしくね」
　「うん、確かに綺麗だね。お姫様という表現にも頷ける。よろしくね、A。……なら、俺は武力─狩猟担当かな」



　司が加わって狩猟は確実に効率が上がった。

　「燻製…？」
　「ああ、煙のアルデヒドで微生物をブチ殺してる」
　「俺と千空のタッグなら保存食は心配ないね」
　「これでやっと文明の一歩目に進めるな」
　「まだゼロ歩だったのか！」

　わたくしも吃驚。今まででも充分凄いと思うけど。

　「さ〜ァ、楽しいクイズの時間だぞ。科学文明にまず欲しい一番重要なモンはなんだ??正解者は100億万点な」
　「スマホか!?」
　「いいなスマホ！欲しいけどな」
　「……銃火器？」
　「いいな銃火器！狩猟便利になるけどな。………何百年ワープしてんだ、デカブツにお姫様！」

　あら、違うのね。
　あったら便利だと思ったのだけれど。



　「鉄…かい？」
　「鉄も欲しいが、まだ先だ。もっと便利なもんがある。─炭酸カルシウム」
　「なるほどー！例によって全然分からん」
　「……しゅわしゅわする牛乳？」
　「……デカブツより思考回路酷ぇなテメー」

　酷い言われようね。

　「石灰か！」
　「ああ、そこの雑頭でも分かる言い方で言うとそれな。グラウンドの白線引きだ」

　ちらりと千空がわたくしを見やる。

　「………ちなみにお姫様は白線引き見たことあるか？」
　「千空、私を馬鹿にしてるでしょ。テレビで見たことあるわよ」
　「テレビかよ…。体育何してたんだ」
　「バレエとワルツね」
　「……特殊過ぎんだろ」

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