008 ページ9
「千空……お前、ゼロからこれを……!」
よく通る声にツリーハウスから顔を出すと、千空の一番の男友達─大木大樹がそこに立っていた。
「A!Aも無事だったか!」
「ええ、3700年ぶりでも貴方は元気ね。御機嫌好う、大樹」
大樹は千空が小学生の時からの付き合い。千空の所に頻繁に顔を出すわたくしとも、その頃からの知り合いだ。
律儀で友達想いな所が好ましい。千空もそこが好きなんだろうけど、男同士って何故か素直に口にしないのよね。
「とにかくマンパワーが足りねえ!俺とAだけじゃ生活基盤作成だけで一日が終わる。こっから先の文明に進むにはどうしても体力バカが欠かせねえ」
「千空、お友達に向かってバカはないでしょう。体力自慢と仰いなさい」
「うるせぇよ。……ずっと待ってたんだよ、100億%生きてるって分かってたからな!杠に言うって決めた男が志半ばで、たかだか数千年ぽっちふんばれねえようなタマじゃねえだろテメーはよ!」
「ああ、もちろんだ!」
千空も結構熱いタイプよね。
「杠に想いを告げるって決めたのね」
杠とは中等部からの付き合い。
大樹と千空の繋がりで女の子の友達が出来たのは嬉しかった。
「ああ!……でも告白しようとした時に謎の光で石になってしまってな。結局想いは伝えられなかった」
「……そう、随分と間が悪かったのね」
大樹だけでなく、大事な瞬間を逃した人が大勢いたことだろう。
「5年も何も言わねぇとか非合理的なことするからだバカ」
「ん?千空こそ10年以上何も言わなかっただろ?」
「あらあら、言われてしまったわね」
「……まさか、雑頭のテメーに言われるなんてな」
自分が大樹よりも非合理的だということになってしまったからか、千空はバツが悪そう。
「ともかく結ばれて良かったな!おめでとう!」
「ふふ、有難う。でも恋人らしいことをしないまま、大変な事態になってしまったわ」
「デカブツが起きるより前から一緒に住んでっからな。恋人っつーより夫婦だな」
「ふふ、そうねえ」
「む、夫婦か……」
私達の会話に、大樹は少し考え込んで。
「これから千空とAが人口を増やすのか?」
「は?」「え?」
爆弾発言を投下した。
405人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Dr.STONE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時