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「つまり、この先は俺達は司帝国でスパイ、千空達は科学革命軍、別れて闘うわけだな」
「ククク、そういうこった。切ない別れにお涙も溢れまくるぜ」
嘘、一滴も流れてないわよ。
「……杠、元気でね。身体に気をつけるのよ」
「Aちゃんも元気でね」
わたくしと杠は抱き合う。
せっかく会えたのにまたお別れなのは寂しい。
「おら、行くぞ」
「もう!?」
千空に催促され、身体を離す。
もう少し惜しませてくれてもいいじゃない。
「杠、俺達も行こうか」
「う、うん……」
大樹も千空にくるりと背を向けて歩き出す。
千空も大樹とは反対方向に向かって歩き出したので、わたくしも慌ててついていく。
本当にこんな別れ方でいいのかしら…。
暫く歩いていると。
「千空ー!!Aー!!」
そこらじゅうに響き渡るほどの大樹の大声に引き止められる。
振り返ると遠くで大樹が右手拳を突き上げているのが見えた。
「千空、お返事して差し上げたら?」
千空がニッと笑う。
「ちーっとだけ待ってやがれ。なぁに、3700年前待ったんだ。今さら数ヶ月数年どうっつうこたねえだろよ」
千空は首に巻かれた布をとって当て木の棒に結びつけると、旗のように掲げる。
わたくしは右足を斜め後ろの内側に引き、左足の膝を曲げて淑女の礼をする。見えないかもしれないけど、折角だからきちんとした礼をしたかった。
どうかまた会う日まで、お元気で。
「問題は司と狼煙を上げた謎の連中Xが接触してるとヤバ過ぎるってことだ」
「司とその人達が仲良しさんになっちゃったら勝算は絶望的ね」
ドォォォォォン!!
「「!!」」
突如激しい土煙が上がった。
わたくしと千空は顔を見合わせると、土煙が上がった方向に向かって走り出す。
目的地にいたのは───────
「貴女、大丈夫!?」
倒れた大木の下敷きになっている女の子がいた。
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やっとコハクちゃんが出てきました。
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御影ゆき(プロフ) - わたぁめ ?さん» コミュ障なので万年語彙力は瀕死ですが、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますね! (2021年3月30日 7時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
わたぁめ ?(プロフ) - 凄い … 語彙力が凄い … 応援してます ! 頑張って下さい ! (2021年3月29日 16時) (レス) id: 3d31fada56 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ありがとうございます!SSも読ませてもらいますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» TwitterにもSS挙げてるので良かったらご覧下さいませ。アドバイスは出来ないかもしれませんが、真白さんの小説も読ませていただきます♪ (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
御影ゆき(プロフ) - 真白さん» コメントありがとうございます。電子で漫画読みながら、ちょこちょこ書いてるだけで決して上手くはないですよー。オンラインを知らないのもあってアドバイスはあまり出来ないかと…。 (2020年6月27日 12時) (レス) id: 22b9875599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御影ゆき | 作成日時:2020年5月23日 20時