【第三十七話】 ページ41
あれから寿司屋へ行き、ウィンドウショッピングをして、気付けばあたりは暗くなってきていた。
なんだかんだ楽しかった様子のA。
そんなAを横目に満更でもない沖田。
沖田を見上げて話しかけるAとそれに耳を寄せ微笑む沖田は、
側から見れば本当に仲睦まじく、お似合いのカップルである。
「そうだ、これ。」
小さな包みを手渡す。
「何ですか？」
「まぁいいから、あけてみろィ。」
開封してみると中には、
夜の明かりにキラキラと反射する一粒石のネックレスが入っていた。
「綺麗…。」
灯りに透かし、屈折した反対側の景色を覗き込む。
歪んで見える世界は、自分の目で見る世界とはまるで別物に感じた。
「うちにいると女っぽい事、何もできねーだろィ？
それくらいなら、任務中でも邪魔しねぇし。」
沖田が自分の事をそんな風に思ってくれていたなんて。
真選組に入って、女として気遣われたのは初めてのことだ。
この人は私とのこれからを本気で考えているのかも知れない。
ろくに恋愛経験などなく、刀に全てを注いできたAでも素直にそう思った。
「嬉しい、大切にします。」
「つけてやらァ。貸してみろィ。」
Aの手からするっとネックレスを抜き取ると、
器用に細いプラチナのチェーンをとめる。
「男から貰ったの初めてか？」
「初めてですよ！こんなの…。」
嬉しそうに笑みを浮かべながら胸元に輝くネックレスに触れる。
じゃあ知らねぇのか。
男から貰うネックレスの本当の意味。
ただのプレゼントじゃねぇ。
ネックレスは
首輪。
「やっぱり、似合ってらァ。」
✴︎
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やま - 次の話が気になります！！更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (
レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます！嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - とっても好きです。２１話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます！最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです！またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：威杜 | 作成日時：2022年6月18日 2時
