【第二十四話】 ページ28
「それで、なんでまたこんな時間に。」
水を滴らせるAにタオルを差し出す。
「明日は非番なんで、
たまたまかぶき町まで来てたもんですから、寄ってみようかなと。」
もちろん手ぶらじゃないですよ、と買ってきた袋をぶら下げる。
パチッと音がして居間の照明が2人を照らした。
銀時はちらっとAを見下ろす。
濡れて額に張り付いた髪。
拭ききれず雨水の伝う首元。
雨の中走ってきた事を示す小刻みに上下する肩。
赤く上気した頬。
水も滴る良い女の原石を見た。
Aがあと10年、いや5年早く生まれていれば…
なんて雑念が頭を渦巻く。
「着替えろよ、風邪ひくぞ。」
兎柄の部屋着を手渡す。
「なんでこんなの持ってるんですか…」
どこか汚いものを見るような目で銀時を見やる。
「勝手に勘違いすんじゃねえよ!!
神楽のだよ!
神楽もAが着るなら文句ねぇだろ。」
なんだ、と言いながら寝室に姿を消した。
ともかくなんだというのだ、こんな時間に。
時刻は1時を回っていた。
示し合わせたかのように神楽は恒道館に行っている。
そもそも真選組って夜中は外出できないんじゃなかったか?
全ての疑念がぐるぐると回り、
ただ飲みにきただけであってくれと思考が巡る。
ぴしゃんと襖が開いた。
✴︎
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やま - 次の話が気になります!!更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます!嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - とっても好きです。21話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます!最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです!またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:威杜 | 作成日時:2022年6月18日 2時