それでも 、 君が好きだよ 。 【童磨、我妻善逸】

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善逸side



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「俺を置いていかないで … 」



そう言っても止まることなく
Aは鬼の元へ歩いていった 。


ああ 、 なんだよ 。


なんで俺ってこんなに弱いんだよ 。



いつだってAは俺のそばに居ない 。

それはいつまでたっても俺が弱いからなんだな 。





血鬼術でまともに攻撃を受けて立ってるだけでやっとだった身体はもう力が入らなくて床に倒れた 。



あれ 、 俺もうしぬ ？


しんじゃうの ？ マジで ？




「ねえ 、 Aちゃん」


『 … なんでしょうか』


「Aちゃんの言う通りあの黄色い子生かしてあげるからさ 、 ここで接吻してよ」




死を覚悟した間際でも嫌でも音は聞こえる 。


見たくない聞きたくない 、


でも 、身体は全く動かない 。



「やめ … っ」



やめろ 、 そう言おうとした途端に




ふたりの唇は重なった 。




「はは 、 可愛いねAちゃんは

あとでまた沢山愛してあげるからね」



「 …っ 、 A…」



俺の方を見てわざとらしくそう言い
笑った 。




＿＿＿＿ 。




俺がしたかった 。



俺とAは恋仲になるんだと勝手に思ってた 。



ずっとAの音 、心臓が高鳴ってたから 。



それはもうAからしたら昔の話なんだ 。




今嫌でも聞こえてくるAの音は


悲しみと不安の音だけじゃなくて


俺があの時聞いてた高鳴ってる心臓の音も



聞こえてくるから 。





そのまま俺は意識を手放した ＿＿＿＿ 。






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