.球技大会の時間 ページ16
.
『 ようやく梅雨が明けましたね 』
渚「 暑くなってきたね 」
杉野「 アウトドアな季節ですなぁ。
どっか外で遊ばね? 」
渚「 うん。何しよっか 」
業「 じゃあ、釣りとかどう? 」
渚「 いいね! 今だと何が釣れるの? 」
業「 夏はヤンキーが旬なんだ。
渚くんを餌にカツアゲを釣って、
逆にお金を巻き上げよう⋯! 」
渚「 ヤンキーに旬とかあるんだ⋯ 」
梅雨が明け、Aたちは
本校舎のグラウンド横を通っていた。
くだらない話をする彼らの耳には、
野球部の熱い声が入ってくる。
「 ⋯? なんだ、杉野じゃないか。久々だな 」
気まずそうに目線をそらした杉野は、
どんどんとフェンス前に集まってくる
元部員たちと顔を合わせる。
その後ろからAたちは様子を見守る。
「 なんだよ、たまに顔出せよ! 」
杉野「 あははっ、なんかバツが悪ぃよ⋯ 」
「 来週の球技大会、投げるんだろ? 」
杉野「 おぉ⋯そういや、決まってないけど
⋯投げたい、かな⋯ 」
「 楽しみにしてるぜ 」
杉野「 おう! 」
部員の1人と杉野はフェンス越しに拳を合わせる。
Aはその光景に微笑みを浮かべながらも、
部員たちの感情の“色”を見た。
“軽蔑”とまではいかないが、
ほとんどが彼らE組を下に見ている。
「 ⋯しっかし、いいよな〜。杉野は 」
「 E組だから、毎日遊んでいられるだろ? 」
「 俺ら、勉強も部活もだからヘトヘトでさ 」
『 なら、やめてしまえばいいのに⋯ 』
「 よせ、傷つくだろ 」
ボソッとAが呟いた言葉は
熱気のこもった空気に溶け込み、誰にも届かなかった。
その代わりにキャプテンの進藤が部員をかき分けて、
杉野の目の前までやってきた。
進藤「 進学校での部活の両立、
選ばれた人間じゃないならしなくていいことなんだ 」
『 すごいですね。まるで“自分が選ばれた人間だ”
⋯とでも言うような口ぶりですね? 』
進藤「 おう! そうだよ?
⋯気に入らないか?
なら、球技大会で教えてやるよ。
上に立つ選ばれた人間と、そうでない人間。
この年で開いてしまった大きな差をな 」
『 そうですか。どうぞご勝手に。
⋯さて、こんな阿呆共は放っておいていきましょう。
所詮 学年1位の私には学業でも運動でも
勝てやしない負け犬の遠吠えなのですから 』
.
467人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KAINkun - あの…イトナ君の触手は頭からですよ。茅野は首であってますけど… (2020年11月14日 19時) (レス) id: b78a3cc888 (このIDを非表示/違反報告)
みやび - 爆豪くんみたいな台詞があってちょっと嬉しかったですwこの小説めっちゃ好きです!これからも頑張ってください!! (2020年4月4日 15時) (レス) id: 195448bd53 (このIDを非表示/違反報告)
nogue - あっ神なんですね。わかります。(`・ω・´)好きです!これからも頑張ってください。 (2020年3月31日 18時) (レス) id: a847137800 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇおれ - 面白いです更新頑張ってください! (2020年3月21日 12時) (レス) id: 675d13869e (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き(プロフ) - 面白いので頑張ってもらいたいとおおおおおお思いまーす!(面白いのでこれからも頑張ってください!) (2020年3月18日 9時) (レス) id: e9bd1f6a74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:タピ岡義勇 | 作成日時:2020年2月29日 6時