其の肆 ページ6
「不死川様、月見里様。こちらを。」
小さな白髪の少女＿＿＿輝哉の娘は、不死川とAに木刀を手渡した。
「失礼致します。」 「あ、えっと…。た、戦う、のですか?」
不死川は一礼して受け取り、Aはしどろもどろしながら受け取る。
「さァて、テメェの実力を見せてもらうぞォ…!」
木刀をAに向けた瞬間、不死川は豹変した。あまりの威圧に、Aは涙目になる。
「南無…では私たちも彼女の手並を拝見するとしよう。」
「不死川さん。あまり月見里さんに大怪我は負わせないでくださいね。」
悲鳴嶼やしのぶ、他の柱達も不死川とAの手合わせを拝見する事にした。きらきらと目を輝かせる甘露寺や、ぼーっと二人を見つめる無一郎達をよそに、木刀同士を打ち付ける鈍い音が響き渡った。
カァァァン……!!
ぐいぐいと攻め込む不死川に対し、Aは必死の守りを続けている。怖がって、まるで反撃をする気配がない。
だが、彼女の洞察力や踏ん張りは凄かった。もろにくらえば吹き飛んでしまいそうな強烈な攻撃を全て受け止めている上に、吹っ飛ぶ様子が無い。
「…やはり不死川の言う通り、討伐の件ははったりだったのか…。」
「いいえ悲鳴嶼さん!!Aちゃんは負けてませんよ!!」
「月見里少女!!守ってばかりでは何も無いぞ!!!」
声援や感嘆の声が飛ぶ中、不死川とAの死闘は続いていた。Aはまだ余裕そうだったが、不死川は大量の汗を拭き取りながら息を荒くしている。さすがに疲れてきたようだ。
「テメェェ………このヤローーーー!!!」 「きゃああぁっ!!!」
不死川は力任せに木刀を横へ振り回した。驚きと恐怖のあまり、防御を崩さなかったAは縦に木刀を振った。次の瞬間＿＿＿
バキイィィイィィッ…
全く同じ木から作り出し、今日初めて使われた二本の木刀は＿＿＿
不死川が手に持っていた方が、大きな音を立てて折れた。Aが振る木刀の風圧で、不死川は後ろに吹っ飛ぶ。
「ぐあぁぁあっ…」
庭に生えていた木に背中からぶつかった。幸い木は倒れなかったが、不死川は大きくむせてしまった。「大丈夫ですかぁ!!?」と叫ぶAが駆け寄った時には、不死川の顔は青くなっていた。他の柱達もその強さに、愕然としていた。
「大丈夫かい、実弥。でも、これでAの強さが分かったであろう?」
「は、はい…」
輝哉にそう言われ、不死川は青い顔でそう答えた。
--大正コソコソ噂話--
Aちゃん、選別はずっと逃げ回ってたらしい！
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うい(プロフ) - ものさしおぢさん» ありがとう！ (2021年9月29日 16時) (
レス) id: 2d17a24ecf (このIDを非表示/違反報告)
ものさしおぢ(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます！わかりました！その前のお話は文字数の影響で出来ませんが、次回から間隔を開けてお話を書きます！ (2021年9月29日 7時) (レス) id: 0bd4004e6c (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - めっちゃ内容いいです！あの、もう少し文字の隙間開けてくれると読みやすいと思います！ (2021年9月29日 6時) (レス) @page4 id: 2d17a24ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ものさしおぢ | 作成日時：2021年9月27日 18時
