其の参 ページ5
新たに柱として任命された、小柄で儚げで
鬼を伍佰体以上討伐した少女は
呼吸を使えない存在、だったのだ___
「…嘘だろう?この女は呼吸使いではない?あり得ない…展開が飛びすぎて頭痛がしてくる…」
「もしそれが真実ならばとても凄い事だが、彼女の見た目からは、想像がつかない!!」
「えっえっ?呼吸を使わないで伍佰体以上討伐??ほんとに!?Aちゃんすごぉい!!」
驚愕の事実を叩き付けられ、みなは一斉にAに言葉を投げかけた。認めない者、賞賛する者、疑心暗鬼になる者など、意見は様々だった。
「ちょっと待って下さい。御館様は先程、『呼吸を"上手く"使えない』とおっしゃっていましたよね?」
蟲柱・胡蝶しのぶがそう述べた途端、みな冷静さを取り戻した。かすかなざわめきが残る中、しのぶは続けた。
「つまりは、『多少は呼吸を使えるが完全に力を出し切れない、又は体に合っていない』という事ですよね?」
「しのぶ、さすがだね。この子は現時点確認されている呼吸を上手く使いこなせないんだ。強いて言うなら水、風の呼吸をかすかに繰り出せるくらいでね。」
輝哉の後を追う様に、Aはしどろもどろしながら付け足した。
「は、はぃ、そ、そうなんです!でっでも、威力が無くなると言うか、力を出せないので、基本使う事は無いというか…えっとその……」
Aは言葉を詰まらせてしまった。皆の視線がさらに険しさを増したからである。もちろん、輝哉がなだめたおかげで、すぐにその険しい視線はAの方を向かなくなったが…
「御館様がそうおっしゃられても、俺はそいつの実力を信用できません。」
不意に不死川が口を開いた。納得の行かなそうな表情で、Aをねめつける。
「そう言いながら本当は得意とする呼吸を隠し持っているかも知れないし、そもそも伍佰体以上討伐という話が嘘かもしれない。実力がどれほどの物なのかこの目で確かめなければ、信用する事が出来ません。」
不死川はそう続けた。確かにぱっと見Aは華奢な子供だ。ごつく筋肉が付いたわけでもなく、特殊な日輪刀を持つわけでもない。普通に考えれば彼女が鬼を伍佰体以上討伐したなんて、とても信じる事が出来ない。特別な呼吸使いか隠蔽と考えた方が自然である。
「確かに私も初めは疑ったよ。でも手合わせをすれば、実弥もすぐ分かるよ。」
そう言った輝哉の合図と共に、白髪の女の子は木刀を二本持ってきた。
--大正コソコソ噂話--
Aちゃんは逃げ足が速い!!
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うい(プロフ) - ものさしおぢさん» ありがとう! (2021年9月29日 16時) (レス) id: 2d17a24ecf (このIDを非表示/違反報告)
ものさしおぢ(プロフ) - ういさん» コメントありがとうございます!わかりました!その前のお話は文字数の影響で出来ませんが、次回から間隔を開けてお話を書きます! (2021年9月29日 7時) (レス) id: 0bd4004e6c (このIDを非表示/違反報告)
うい(プロフ) - めっちゃ内容いいです!あの、もう少し文字の隙間開けてくれると読みやすいと思います! (2021年9月29日 6時) (レス) @page4 id: 2d17a24ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ものさしおぢ | 作成日時:2021年9月27日 18時