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「 ⋯っ、今から向かう 」
先刻、時透から連絡が来た。
師範の嘔吐が止まらない、と。
止められるのはきっと俺だけだろう。
師範の着替えを手に、民家の屋根を駆け回った。
地獄のような山登りを終え、校舎に駆け込む。
そこには破廉恥な格好をした女と、
生真面目そうな男がいた。
「 すまない。鬼殺隊の蛇柱だ。
しは⋯Aがどこにいるか知らないか? 」
「 A⋯? ⋯あぁ、虹音さんのことですか。
彼女なら保健室にいます 」
「 そうか、ありがとう 」
保健室の場所も律儀に教えてもらった。
ドアを開けると、そこにはベッドで眠る師範がいた。
脇にある椅子に座り、彼女の寝顔をまじまじと見つめる。
「 ⋯綺麗だ⋯⋯ 」
色素の薄い師範は陽の光に当たると、
とても透き通って見える。
前世では鬼の血が濃かったということもあって、
いなくなってしまうんじゃないか?
と心配になるほど綺麗に見えた。
『 ん⋯ 』
「 師範⋯? ⋯大丈夫か? 」
起き上がった師範に声をかける。
寝起きで状況把握ができないのか、
俺を見て数秒後に目を見開いた。
『 な、なぜここにいるのですか⋯ 』
「 時透から連絡が来た。体調の方は大丈夫なのか? 」
『 ⋯⋯はい 』
いつもより少し元気のない笑顔を浮かべた師範を
ぎゅっと抱きしめる。
師範からは焦った声が聞こえるけど、そんなの関係ない。
だって、俺の方が焦ったのだから。
「 何があったんだ。級友に嫌がらせでもされたか 」
『 いえ⋯。⋯⋯愛柱の
「 アイツだろう。しっかりと記憶に残っている 」
元愛柱の高橋愛美。
そいつは師範を陥れようとした屑だった。
まぁ、そんなこと信用しない俺たちは
当然 師範の味方をしたが。
『 今日来られた先生が愛美と似た感じの方で、
少し⋯昔を思い出して⋯ 』
師範はヤツにありもしない噂話を流されたり、
暴力などをされていた。
本当に腹立たしい。
それが発覚した時は思わず逆上して、
冨岡と不死川に取り押さえられたくらいだったからな。
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レイン様(プロフ) - おばみつじゃない新しい設定ですねぇ (2020年8月19日 11時) (レス) id: 6e6e0a8455 (このIDを非表示/違反報告)
nogue - カブトムシおはぎ柱wwwこれからも頑張ってください。 (2020年3月31日 17時) (レス) id: a847137800 (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - ちょー面白いです!!!これからも更新頑張ってください!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)
なー - えっ…面白すぎない?続き、楽しみに待っております (2020年2月20日 21時) (レス) id: 0ed445bc17 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - めっちゃ好みです!これからも頑張ってください!応援してます。 (2020年2月19日 21時) (レス) id: f4a774456e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タピ岡義勇 | 作成日時:2020年2月17日 16時