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七十五話 無から有 ページ30

そしてお館様が勧める医者に預けてから数日。
俺はまた呼び出された。



「無一郎の目が覚めたんだ。ただ、記憶に少し障害があるみたいで何も思い出せない状態なんだ」

「そうですか…」

「自分を責めることは無いよA。君のおかげで無一郎は助かったんだ。命の恩人なんだよ君は」



お館様はそう言ってくださるがそんなの関係ない。有一郎は救えなかった。それは覆らない事実だ



「実は今回はAに頼みがあるんだ」

「頼みですか?」

「あぁ。目が覚めた無一郎は鬼殺隊に入隊することを望んだ。そして育手を紹介しようとしたんだが無一郎は君に剣術を習いたいそうなんだ」

「!」

「無一郎を継子にしてあげてくれないかな?」

「…御意。」


断る理由はない。救えなかったのだからせめて彼に"守る"力を俺は与えなくてはならない。


そして俺は許可を取り無一郎のいる部屋へと向かう



「入るぞ無一郎」

「どうぞ」


その無機質な声に心がチクリと痛む



「今日からお前の師範になる太刀川Aだ。よろしくな…」

「………Aさん?」

「おぉーそうだ。好きに呼んでくれていいぞ」


そう言って頭を撫でれば無一郎は少し目を細める



「貴方が俺の命の恩人なんですよね?」

「ん?恩人なんかじゃねぇよ。こんな怪我させて……痛かったろ?」

「……ううん。別に…」

「そっか。強えな無一郎は」



そう言ってヘラリと笑えば無一郎は不思議そうな顔をした



「明日からは自由に動いていいらしいし飯でも食いに行こうな。」

「……稽古はしないんですか?」

「いつからしたい?」

「…………明日…です。」

「熱心だな。いいぞ!」



そう言えば無一郎は目を丸くした。その姿は初めて出会った時のことを思い出させた


「柱は僕達とは時間の価値が違う。僕なんかの修行で時間をとってもいいんですか?」

「時間に価値もクソもねぇよ。俺はお前の強くなりたいって意思を尊重したいんだよ」

「!」

「お前は才能もきっとあるし、記憶力がなくても体に叩き込めばいい。無一郎の無は“無敵”の無だ!」


一緒に強くなろうな、無一郎。

そう言って微笑めば無一郎はポロポロと涙を流し始めた。


「えっ!?俺なんかやばいこと言った?ちょっとやり直させて……あっ、無一郎の無は無農薬の無だ!無農薬の野菜俺は好きだぞ!」

「………無限……」

「おぉ!インフィニティか!お前は天才か!」


そう言って俺は泣き続ける無一郎を励まし続けた。

七十六話 合わない二人→←七十四話 命の灯火



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まよー - もう神作品です、夜中に笑い転げました (7月13日 1時) (レス) @page22 id: 4ebe815f43 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 夢主のツッコミで笑いすぎて死にそう‪w‪w‪w (2021年10月16日 0時) (レス) @page14 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
12777ef7a7fv5w2(プロフ) - 呼吸の名前を出してください。お願いします。 (2021年2月26日 21時) (レス) id: f5ad5d7db2 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 面白すぎる、、ツッコミのキレが半端なさすぎです。 (2020年12月6日 22時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
- やばいてw 伊黒の恋愛感情=鬼舞辻無惨が藤の花の傍でタップダンスw (2020年11月29日 20時) (レス) id: 30e17e49e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月25日 21時

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