霊柱は胡散臭い 弐【鬼滅の刃】

六十九話 マッチョ ページ24

「なー宇髄。どうやったら筋肉つく？」

「んあ？」



二人で裏庭で七輪で焼いた餅を食いながら尋ねればキョトンとした顔をする宇髄。




「おまっ、派手にやめとけ！もやしはお前のアイデンティティだろ！？」

「やだよ、そんなシャキシャキしたアイデンティティ」



しかし何とか説得して協力してもらうことが出来た。



「なんか目標とかねぇのか？」

「あー…実弥とか？」

「はぁ？そこは俺じゃねぇのかよ！」

「いや、お前ほどのダイナマイトボディは求めてない」




実弥ぐらいの腹筋が良い……もしくは冨岡。
一度銭湯で冨岡を見かけたことがあるがやばかった。思わず自分の体を隠したもん。



「つか急になんで筋肉？」

「モテたい」

「欲望に派手に忠実な奴だな。」



即答すれば引いた目で見られた。モテるお前に俺の気持ちは分からない


「良いだろ別に。」

「筋肉が原因でお前に彼女ができない訳では無いだろ」

「じゃあなんで俺は可愛い彼女ができねぇのにお前は嫁が三人もいるの？お前の何がいいの？」

「顔」

「…………ｳｯ……」

「泣くな。そなたは美しい。」

「うるせぇよ。」




バシッと殴れば笑って倍の威力で叩かれた。



「太刀川は筋肉あるっちゃあるだろ。それで満足しとけよ」

「ガチムチな腹筋6LDK欲しい。」

「なんで図々しい奴だ」



まぁ、腹筋割れてるっちゃあ割れてるけどもっと逞しくなりたい。着痩せするタイプのせいか隊服を着たらどうやってもガリガリにしか見えない。




「あ、実弥だ。」

「丁度良いじゃねぇか。おぉい！不死川！」



庭から屋根の上へ移動して雑談していれば実弥が歩いているのを発見する。

しかし任務帰りで疲れているせいか呼び掛けを無視しようとする実弥。

いやいや、逃がすわけねぇだろ。






「待ってー超絶逞しい腹筋持ってるド派手な不死川――!!」

「よっ！大胸筋が歩いてるぅう！！」

「腹筋6LDKかいぃい！」



俺と宇髄で大声で叫べば鬼の形相で急速接近中の実弥。
そして頭をガッと、掴まれる。


「てめぇら早朝から近所迷惑だろぉが……何叫んでやがる。」

「あっ、実弥だったの？てっきりEXILEのメンバーかと思って叫んじゃったよ」

「バリバリ俺の名前呼んでたろォが…というかEXILEが刀持って背中に"殺"を背負ってる訳ねぇだろ」

「いや、派手に首斬りがコンセプトのアイドルかと思ってたわ」

「いるわけねぇだろそんな物騒なアイドル！」

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