三十三話 降霊術 ページ34
「じゃあ降霊するから」
「……」
胡蝶妹は緊張したように汗を流してじっと中央の蝋燭を見つめていた。
パンッ!
勢いよく手を叩けば中央の蝋燭の火は青白くなり………
「しのぶ〜久しぶり!て言ってもずっと傍で見ていたのだけれど!」
「さすがカナエさんだぜ。三秒で緊張感が消えてなくなった」
花のような笑顔で胡蝶妹に手を振るカナエさん。
それを胡蝶妹は見て唖然としている。
「アンタはもうちょっと幽霊っぽく現れることは出来ないのか。そんな笑顔で能天気に登場する幽霊見たことがない。」
「あらあら、それなら天井から首出したり貞子風にすれば良かったかしら?」
「そうじゃねぇだろォ」
そっち方面じゃなくてもっと儚く出てきて欲しかったがカナエさんらしいしこれでもいいだろう。
「ほらカナエさん。胡蝶妹に言いたいことバンバン言ってください。」
「えぇ、わかったわ。聞いてしのぶ!庭の木霊ちゃん達と仲良くなったのよ!」
「カナエさん。あんたの世渡り上手は知ってるけど空気を読もう。見て、胡蝶妹の顔。無表情になってる。」
「木霊と友達か…どこかのぼっち水柱に爪の垢を煎じて飲ませたいな。」
「唐突に冨岡に攻撃すんのやめよ?」
今はいないがいたら地味に傷つくだろう。
「あっ、胡蝶妹もほら、お姉さんに言いたいことなんかないの?」
「姉さん………その木霊って幽霊どこにいるの?」
「お前も空気を読めよ!」
「あら、裏庭の木の根元よ。木霊ちゃんは無害だから祓って貰わなくても大丈夫よ!」
「呼び出しといて申し訳ないけどカナエさんはちょっと黙ってて欲しい。」
話が進まないので取り敢えず俺たちは胡蝶姉妹を残して部屋の外へ出ることにする。
「胡蝶妹。話したいこと、聞きたいこと今のうちに全部聞いとけ。」
「!」
そして俺達は蝶屋敷から出ていった。
降霊術は時間制限があり放っておいてもいつまでもカナエさんがあそこに存在することもないので大丈夫だろう。
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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時