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狂想曲 ページ35

『なぁ半間くんさぁ、お前ってちょくちょく特服変えるよな。またイメチェン?』


土曜日の夜、突然私の家に来た半間。


何処かいつもと違う雰囲気で、ケンカした後なのか返り血を浴びた状態で私の家に上がってきた。



「そ、今回は赤だった〜」


半間はそう言って、着ている赤色の特服を私に見せつけくる。


何だ…天竺?


新しく入ったチームの名前だろうか。


小難しい字をつらつらと並べたソレは私には到底理解できない。


てか、いつ東卍抜けたん?


こっちは不良事情に疎いから分かんねェんだわ。


「え、もしかしてお前天竺しらねェの?」


『知るかよ』


私の答えに半間は目をぱちくりさせる。


だから、私は喧嘩は得意だけどチームとかは詳しくねぇの。てか、天竺ってインドだっけ?


「皮肉にも天竺とお前は因縁の関係なんだぜ?Aちゃんそれ知ってた?」


『え、インドと?』


「は?」


さっきから知らないことをどんどんと突きつけられて、困惑する。


ちょっと待て。

今まで天竺なんて名前のチームと絡んだことなんかねぇぞ?


「うわ、でたよ必殺記憶喪失」

『…ん?』


半間は困惑している私をバカにするように、ケラケラと笑っている。


何、私知らぬ間にインドカレー屋に喧嘩売ってた?


「仕方ねぇから教えてやるよ」


『早く教えろ』


私は半間の肩を掴んで迫った。


インドカレー屋に喧嘩売った覚えは無い!


半間は少し考える素振りを見せたあと、徐に口を開いた。



「んー、何年か前にAちゃんさ……黒川イザナとドンパチしたじゃん?」


『いや誰そいつ』


「は?脳みそ腐りすぎだろバカすぎね?」


『………』


記憶が無いのに何故そこまで言われなければいけないんだ。

クロカワ・イザナだ?

ぐるぐると思考を巡らせてみたが、黒川なんてやつは私の記憶には出てこなかった。


「いや、お前が面がタイプとか言って散々ナンパしてたじゃん。小柄の白髪のやつ」


『ん?…あ、あぁー!待て待て思い出した!あいつか!』


「遅っ」


『アレだろ?あの色黒のイケメン。まぁ、ナンパしたあと断られて喧嘩になったんでけどな』



やっと記憶の端にあった"黒川イザナ"の存在を思い出して、スッキリする。


そんな奴もいた。


『なぁ半間ー、黒川私のとこ連れてこいよ』


「無理に決まってんだろ〜?バカか」


『じゃあ私がまたナンパしに黒川のとこに行くわ』


「意味わかんねぇ〜」


いいね、天竺総長…黒川イザナ。

2月22日→←無罪モラトリアム



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のの - 三途出たら面白そう (2023年4月26日 23時) (レス) @page9 id: 45d6e93948 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 三途も出て欲しかったです (2022年12月18日 14時) (レス) @page8 id: d85abe7ad7 (このIDを非表示/違反報告)
奈々子 - ヒプマイバージョンも作って欲しいです飴村らむだにあわせたらぜったいおもしろそう (2022年7月31日 10時) (レス) @page15 id: 2f5361bf3f (このIDを非表示/違反報告)
M - ぶりっこかーうわぁって思いながら読んでみたら5ページ目で惚れましたありがとうございます (2022年6月30日 2時) (レス) @page5 id: 0bd2a9d625 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ(プロフ) - あ"ーーーー!!!気になるぅ!!!! (2022年6月19日 18時) (レス) @page47 id: 2e29fc010d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2021年9月21日 22時

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