モヤとは ページ14
『えー、これだけ?もっと教えてよ』
「うるさい、貴様に教える事はもうない…引っ付くな」
『いつも私に嫌がらせしてるくせにさ、そりゃねぇよ』
私から逃げようとしたDIOを捕まえるように、腕にべっとりと引っ付くと物凄く嫌な顔をされた。
ひんっ、悲しいなんて思ってないからね!
あんだけ私の事追っかけ回してた癖にさ、いざ自分がされる側に回るとダメなタイプね。
執拗い人はお互いに嫌いのようだ。
あの後、DIOの情報を少しだけ手に入れることが出来た。
最初こそ頑なに口を閉ざしていたDIOだが、私が本気で懇願すると2、3個教えてくれた。
が、何だか胡散臭い。
まぁ、それでも教えてくれただけマシか。
"彼の人間の時の名は、ディオ・ブランドー
名門大学の法学部を首席で卒業
夢は天国に行くこと"
うん、ちょっとこの情報は流石に酷いよね。
まるで、今適当に作りました感がハンパない。
私があげた情報と全く釣り合ってないだろ。
こっちは身長に体重、BWH…というありとあらゆる個人情報の全てを詰め込んだメモ帳を渡したんだぞ?
(正確に言えば、少年の手を介して渡ってしまった)
少しでもDIOの弱点に近づけたら、それでいいのだ。
『あのさぁ、せめて職業くらい教えてよ』
「帝王だ」
『ねぇ真面目に答えて?って、ごめんごめん!帝王だね分かった!待って行かないでぇ!』
不貞腐れたのか、呆れたのか。
DIOはもう我慢できないとでも言わんばかりの表情で公園を出ていく。
私はすかさず彼の後を追いかけた。
この行動に自分でも驚く。
以前の私であれば、DIOを知りたいなんて思いもしなかったし、この変態吸血鬼を追いかけようだなんてとんでもない。
人は短時間でこんなにも心情が変化するものなのかぁ。と、第三者目線になってしみじみと思う。
今はひたすら、この目の前の吸血鬼に興味があった。
自分の情報に対する腹いせなのか、 単なる好意なのかは分からない。
でも確かに間違いなく私は、現在進行形でDIO…いや、ディオ・ブランドーの事を知りたがっている。
『DIOくん、もう1つ質問していいすか?』
「黙れ、貴様を見ていると虫唾が走る」
『酷い、前までそんな事言わなかったじゃん!』
人に探られたり、付きまとわれるのが余程嫌いなのだろう。
DIOは顔は酷く歪んでいた。
『なーんで、そんな美人なの?』
「……もう近寄るな、得体の知れないモヤが増える」
『何の話してんの?』
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俺☆ - やばいめっちゃ面白いのにめっちゃ感動してる。何だこれ。 (2023年1月5日 11時) (レス) @page50 id: b2c114123d (このIDを非表示/違反報告)
Earthあーす(プロフ) - あれなんか目がナイアガラの滝になってる (2023年1月4日 18時) (レス) @page43 id: 0fcf2cea39 (このIDを非表示/違反報告)
しらとめ(プロフ) - 面白いのになんとなく泣きそうになってきます (2022年11月28日 17時) (レス) @page35 id: 353a651934 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - DIOの代わりに空条承太郎パイセンとくっついちゃいましょう!!面白かったです。続きを楽しみに待ってます!! (2022年11月28日 1時) (レス) @page33 id: d126292683 (このIDを非表示/違反報告)
ペトリ皿(プロフ) - やばい。展開も何もかもが面白すぎる。 (2022年11月27日 18時) (レス) @page32 id: cbc38767b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年9月5日 23時