質問 ページ38
『ねぇ、ずっと前から気になってたんだけどさ』
「………」
薄気味悪い公園であった。
街灯のうち1つが壊れている。点いては消えるを繰り返す灯りはDIOの神経を刺激した。
向かいの通りをたまに走る車のライトと、隣にある店の灯りで公園辺りの様子は確認できるようになっている。
そのような幽々たる公園ベンチに、AとDIOは特にすることも無く座っていた。
何故、こんなところでこの2人が無駄話をしているのかは謎である。
きっと、さっきの手のツボの押し合いで疲れて休む場所でも探していたのだろう。
『……えっと』
「何だ、言ってみろ」
何か大事な話を切り出すかのようにAは口を開いた。
だが、それを言いづらいのかさっきからずっと逡巡する様子を見せていた。
そして、何度かDIOの下腹部あたりをチラチラと見ると気まずそうにと言った。
『何で社会の窓開けっ放しにしてるの？』
「これファッションな」
Aは単純に疑問だったのだ。
目の前にいるDIOを煽ろうなんて、この時ばかりは思っていなかった。
普通に大の大人がそんな風にズボンのチャック全開にして股をおっぴろげてるのを見て、不思議に思っていた。
『いつもズボンのチャック全開なのはそういう性癖？それとも閉め忘れてるの？』
「だからファッション！」
無心で聞いてくるAにDIOは声を荒らげながら返した。
怒っていいのか、悲しめばいいのかよく分からずDIOは複雑な表情でAから目を逸らした。
今までAにうっかりでズボンのチャックを閉め忘れたと思われていたのが屈辱的で、DIOはこれ以上何も言えなかった。
『あとさ、もう1つ質問なんだけどさ。何でそんなにび……』
「うるさいぞA…ッ。またそうやって無意識にこのDIOをバカにするつもりだろう」
『いや、バカにするつもりは一切ない』
「ふん、人間ごときがこのDIOをちょいとでも傷つけられると思ったか。マヌケめ、そのボロ臭い椅子に座って夜が明けるまで後悔してなッ！」
力任せにそう言ってベンチから勢いよく立ち上がるDIO。
そして、最後にAを睨むと光の速さで帰って行った。
残されたAは放心状態でボケーっとDIOが去った後を眺めていた。
『何であんな怒ってたんだろ』
目線を上げて星空を眺望しながら、独りごちる。
『"何でそんなに美形なの？"って聞こうとしたけど嫌だったんかな？』
少しだけDIOとAに距離感ができた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸｀)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます！ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (
レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｳﾙ(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます（？） (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ﾗｳﾙさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよｳﾌﾌ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光と慈雨
| 作者ホームページ：http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2022年8月5日 18時
