ジャスティス ページ12
『あー、くっそ頭痛い』
「なんだA、寝不足か?」
『うん、そんなとこ。昨日厄介な客に絡まれてさ、ストレスで寝れなくて変に頭が痛い』
「そりゃぁ、災難だったな!」
目の下に隈をびっしりつけて、頭を抱えているAを横目に店主はケラケラと笑っていた。
対して本人は全く笑い事などではなかった。
あの夕食後もDIOに執拗く、"部下になれ"や"金なら出すから働け"など散々言われAは着々とストレスを溜めていた。
そして、遂に限界がきたAはDIOを置いて逃走。
(本人曰く)光の速さで帰ったのだ。
もうあの全身真っ黄色変人とは、一生関わりたくないと言う。
「それにしても、今日はいつもより客足が少ねぇなぁ」
『……あぁ、言われてみれば確かに』
「変な霧もかかってるしよぉ、虫の知らせか?」
店主の言う通り、今日のハンハリーリはいつもと違った様子だった。
いつもは見せない灰色の霧が市場全体を覆い、何処かうす気味悪さまで放っている。
客足が少ないのもこの理由かもしれない。
『気持ち悪い雰囲気だなぁ、私なんか変な寒気してきちゃったよ』
「それはワシもさっきから……」
『え、?』
まるで何かが起こる前兆のような会話にAはゾッとした。
"え、何この怪談話あるあるのフラグ…!"
彼女は内心そんな事を思いながら肝を冷やしていた。
まぁ、フラグが立ってしまったからにはどうしようもない。
これから何か起こることは決まっているのだから。
『うわっ、なんか霧が濃くなって……!』
「いきなりなんじゃ…!?」
突然、絵の具のような霧が濃くなりA達の視界を閉ざした。
暫くすると、その霧の中から幽霊のようにふっと誰かが現れた。
『うわっ!』
「どうも、こんにちは……そんなにびっくりなさらんでくだされ」
『なんだお客さんか…!』
霧の中からぽっと出てきたのは小さいお婆さんだった。
杖をついていて、何処と無く"優しい"雰囲気を帯びている。
Aはホッとして、その小さいお婆さんに近づいた。
『いらっしゃいませ〜、何かお探しですか?』
「えぇっと……じゃあそこの金属のコップを1つくだしゃれ」
『承知致しました、少々お待ち下さい!』
まさかこんな優しそうなお婆さんが、自分を狙ってここへ来たなんてAは思いもしないだろう。
そしてこの後、起こる災難のことなんて頭の片隅にも置いていなかった。
「………ヒヒッ」
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わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸`)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます!ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ラウル(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます(?) (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ラウルさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよウフフ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年8月5日 18時