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ホテルの下でバーボンを待っていると丁度いい具合に彼は迎えにきてくれた。そして、先日はベルモットが乗っていた助手席に腰を据えた。
「お迎えありがとう……それで今日の任務の事だけどパーティーの最中に会場が暗転する何分間かに標的に私が近づいて、標的の部屋までお持ち帰りしてもらう算段よ」
「なるほど……部屋で消し去る算法ですか」
「ええ……バーボンには盗聴器渡しておくから、もし私に何かあれば容赦なく標的を殺ることに目的を寄せて……勿論失敗はしないつもりだけど何があるかわからないし……」
「あなたが組織の中でも逸材の存在だということは噂で前から聞いていましたよ……抹殺を得意とするメンバーがいると」
「なによ……私が失敗しないとでも?」
「いえ……あなたほどの腕を持った方でも失敗の可能性を考えているとは随分意外でしたから」
「まあ、確かに今まで失敗したことはないわ。今回も勿論我々組織の証拠一つ残さず殺るつもりよ……でも思うのよ……失敗して、苦しみながら組織に消されるぐらいなら組んだ相手に標的諸共、私も殺された方がよっぽど楽じゃないのか……って」
何よりも今回の件で何故こんなにも安全策を考えているのかというのはただ暗殺するだけでなく、相手が無類の女好き、つまり誘惑を仕掛けなければならないから。ただ暗殺するだけであれば一人でも十分できる。
「ちょっと饒舌すぎたわね、今のは忘れて……パーティー自体は夜8時から……先に中に入って標的確認と会場確認するわ」
「ええ……僕もそのつもりで」
バーボンside
ミモザと出会って数日、まだ日は経っていないが今までのメンバーとはどこか違っているような感覚に襲われる。何が原因かは分からないが、組織に対して自分の立場が弱くなるかもしれないということを意識して常に行動している気がする。
俺が5年ほど組織にいて、幹部で組織からの信頼を受けているにも関わらず消される覚悟を心の内に秘めている人は初めてだった。
「はい……これ盗聴器。分かってると思うけど、今回の標的は無類の女好き……例えあなたの耳に如何わしい内容が聞こえてきても記憶から抹消するのが……」
「常だと?」
「ええ……相手が無類の女好きの男だなんて否が応でも吐き気がするわ……」
そうは言っても所詮彼女も組織の人間。とりあえずは彼女の身元や生い立ちを調べるに損はなさそうだ。
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琳香(プロフ) - さちさん» コメントとご感想ありがとうございます(´-`)こちらこそよろしくお願いします。 (2019年10月19日 23時) (レス) id: f8b1e46d61 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年10月19日 13時) (レス) id: c80821aeaf (このIDを非表示/違反報告)
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