海底に棲むきみ【迅悠一】 (ページ9)

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6日目ページ9

『あ、妊娠した』

隠岐「いやいや、流石に無理があるでしょ」

バッタリ隠岐とあってしまった私はつい胸に手を当ててそんなふざけてことを口にしてしまう。これもきっとイケメンパワーだな。恐ろしや、なんて。

水上「俺もおるねんけど」

『あ、水上さん。こんにちは』

水上「こんにちは、ちゃうやんか。」

『ちゃいません。』

正直このブロッコリー先輩は苦手だ。なんか目つきが怖い。関西人が怖い。

隠岐「おれは含まれずな感じ？」

『イケメンと関西人は別物でしょう』

隠岐「イケメンちゃうから」

またまたそんな。謙遜しちゃって。
あなたは17歳組に舞い降りたイケメンですよ。
重宝するんです。

きゃーイケメンパワーで溶けるわぁ。
と、生駒っちさんっぽいことを言う。

『あ、待って。』

1人の先輩ブロッコリーと同い年のイケメンと戯れていたら、ふと天から降ってきたように思い出したことがあった。

水上「なんやなんや、Aちゃん」

『私、イコさんに"今度ご飯食べに行きましょうね"って言ってしまったのよ』

ぽつり、とそう呟くと
隠岐「Aちゃん。そんなおもろい場面おれも呼んでくれなアカンやん。いつでも電話してって言うてるやろ？」

肩に優しく手を置いてそんなことを真顔で言う同級生の彼。

イケメンに電話入れるのはちょっと勇気が居るんです。と適当な事を告げては、本題に入る。

『流石に私と生駒っちさん2人っきりだとシュール過ぎて胃がよじれるので、生駒隊の皆さんでご飯どうですか？』

隠岐も一緒にご飯食べようよ、と彼の顔を見ればいつもの、普通の同級生の会話モードに戻った様子で
"ええよ〜"なんて軽い返事が返ってくる。

水上さんは？、そう聞くように彼の方に顔を向けては、「マリオも呼んでええ？」との返事。

本当に仲のいい隊だなぁ、と思いながら勿論。と返事をした。

今日も迅には会わなかった。
本部を歩いている過去が見えたけれど、私は其方の方には行かなかった。
彼の未来の邪魔をするから。