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『迅。買い物行かない?』
迅「いいよ、何買うの?」
『今日のゆうはんー』
『じんー。トイレ行くから着いてきて』
迅「え、そんな趣味ないけどおれ」
『ドアの前で待っててって事だよ。』
『あれ?迅、見回り?私も行く』
迅「お、あ……うん…?」
『どこ行くの?』
迅「ちょっっと待って。ナニ?デレ期じゃないよね??ここ3日くらい付きっきりじゃん。明日雪なの?もう春なのに?あれ????」
『壊れてる壊れてる。落ち着きなよ。』
落ち着いた結果だけど?!
と声を荒らげる彼を横目に、私は彼のそばを歩く。
そう。今日は4月9日。迅悠一の誕生日である。
もちろん、普段彼にお世話になっている人々は 彼への誕生日サプライズを用意しているわけで。
そして私は、彼らに必死に頼まれた。
"3日間だけ迅から離れないでくれ" と。
理由は明白だろう。私が彼のそばにいる時は、彼のSEが作用しない。
要は、普段の迅なら勘づかれてもおかしくは無い"サプライズ"ができるのである。
当の彼は、私が付きまとうことによって街の未来が見えないことに不安がっているのだが……。そこも心優しきボーダーは対策済み。
彼の知らないところで、防衛任務をいつもの倍以上にして街の平和を守っている。
彼のそばにいる私は、その"サプライズパーティの準備"には当たることが出来ないが、その分俺たちが頑張るからとみんなは張り切ってくれた。
『こんなそばに居るのなんて久々だね。』
迅「んー……。まぁ、確かにそうかも。」
『ゆうちゃんが困っててAは面白いです。』
そう静かに微笑むと、それを見た迅も静かになる。
私が楽しそうで迅も嬉しいのか。
それとも、意地悪な私に呆れているのか。
『まぁ、もういつもみたいな生活に戻るよ。ずぅっと一緒なのもあと少し。』
迅「おまえのせいで視えないのに、そんな不謹慎なこと言うの反対」
半分冗談ー。と私が言うと、携帯がなった。
急いで確認すれば、
【準備完了!本部に集合せよ!!】と気合いの入った連絡が嵐山さんから来ている。
【迅、了解】 とメッセージを入れてから、
『じゃあ行こっか』 そう言って私は迅の手を引いた。
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作者名:いちごおれ?? | 作成日時:2023年2月20日 23時