紅に染まれば ( 桃×赤 )

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＿＿＿＿赤side






桃「こんにちはーー！！！

今日からお世話になります！！

コタキです！！！」






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夕暮れの紅が染まりかけた頃

彼奴が現れた。



偶然か、必然か、

周りには誰もおらず

職員室には自分しかいなかった。








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( 会いたくない… )

その思いだけが心を支配して…








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桃「あのー？すみませーーーん」






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小瀧からは後ろ姿しか見えへんのや。

ジャージ姿の情けない男の姿。








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桃「あ、あの…

濱ちゃ、じゃなくって

濱田に代わって伺った者です。」


赤「あ"ーーーーー、もう煩い！」







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桃「ひっ！ごめんな、さ…い？」


赤「なんでお前がくんねん…」


桃「え、シゲ……………？」


赤「ちゃう先生呼んでくるから待ってて」





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桃「待って！！」






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不意に感じた温もりは

何年ぶりかの心地よさを彷彿させた。






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赤「…離せや。」


桃「シゲ……」


赤「なんやねん、離れろってば！」






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何で、こない掻き回されなあかんねん。



たった、一人の男のせいで

俺の人生はめちゃくちゃや。




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桃「ごめん……

やけど、もう泣かんといてや、」






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頬をつたる雫は、

彼の手によって拭われた。







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自惚れんな、自惚れたあかん。





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でも何か知らんけど

紅の空がぐっ、と鮮やかになった気がした。







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紅の空に俺の思いも飛んでいけ…



と、望んだはずやのに。





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赤「好きや、望。」







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静寂の中二人きり。



前みたいに掻き消される声なんて

一つもない。

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