完璧アーヤはデザイナーベビー

6話 ページ7

彩side

ザン「数学なぁ。最近でいうとABC予想とかだよな」

上「ああ。ABC予想は最も重要な未解決問題と言われていたんだ。それを京大教授が終止符を打った」

翼「なんでもそうだけど、何かの専門家って尊敬する。何年も研究を続けるって相当だよな」

現場への移動中、ザンはKZの6人とすっかり親しくなり、話題の中心にいた

もともとの性格はもちろん、トップレベルの頭脳で話題は尽きない

Apexの対人関係のエキスパートと言ってもいいのかも

黒木君とは全く違うタイプだけど、戦力になっているのは一目瞭然だからね

朔夜「彩、いいか？」

すると朔夜が、KZにバレないように近づいてきた

氷月が道案内役で先頭付近を歩き、ザンが注意を引きつける

となると朔夜が俺への説明役になるのは当然か

気配を消すのが得意というのもあって適任だろう

俺はそれとなくKZと距離を開きつつ、朔夜の横につく

『危険だな。事件の説明は現場でって話だろ』

事件の依頼先はあくまでもApex

だから事件内容は依頼者の許可を取るまで話さないとさっき言われたばかりだ

俺は確かにApexだから把握するのは良いとして、ここにはKZがいるんだぞ

怪しまれたらどうするんだ

朔夜「彩の意見が聞きたい。今回は誘拐事件だ」

話によると、向かっているのは千里(せんり)家

千里家の家族構成は千里肇(はじめ)さんと妻の陽子(ようこ)さん

そして14歳の一人娘、未来(みく)さんの3人家族

肇さんは大手アパレルメーカーの社長

千里家はとても裕福な家庭だそうだ

そして今回誘拐されたのは一人娘の未来さん

『身代金目的か。犯人からの接触は？』

朔夜「今日の22時までに1億円を用意し、駐車場に置けと電話があったらしい。それで警察に通報したそうだ」

もう一回、電話かけてもらえたら楽なんだがな

そうすれば逆探知できる

『ま、この手ならいつも通りやれば解決できるだろ』

そう言いながらもため息をつく

これ、KZの出番ないんじゃないか？

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