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32話 ページ33

彩side

素早く氷月と朔夜が川の方へと降りていく

ザン「血になってたって誰が確かめたんだ?見たところ、誰も手は汚れてないけど」

その言葉通りだった

俺もさっと見渡して確認するが、手が赤くなっている奴はいない

この班は今もなお懐中電灯をつけていないんだ

目で見た、ということはないだろう

それよりも

俺は間違えるはずもない人数にうなる

今は6人班か……


「あ、あれ?」
「みんなで触ったよね?」
「ああ、間違いなく……」


どうやら暗くて見えないということで、全員で川の水に触れたらしい

見れば片手が濡れてるけど、やっぱり血はついていない


氷月「彩月、川はどこからどう見ても無色透明だ」

朔夜「水も採取はしたけど……何も出ないと思う」

2人が川の方からあがってきて口々に言えば、女子の1人がでも!と反論する

「触ったとき、なんかヌルッてしたよ!」

『ヌメリがあった?藻とかコケではなく?』

視線で2人に確認を取ると、いぶかしげに首を横に振られる

そういう類のものはなかったらしい


「それで誰かが叫んでさ。多分、小林が」

「なっ!そう言う伊藤だって騒いでたじゃん!」

「でも変な感じしたよね。触る直前にクラッと体が傾くような」

「そうか?お前、取り憑かれそうになったんじゃね?」


恐怖心が消え去った反動か、だんだんと騒がしくなっていく

しかし俺はそれを気に留めず、ヌメリがあったということについて考えていた

ものにもよるが時には血もそういう性質を持つことがあるからな

それで驚いたという供述に不審な点はない

この6人は嘘をついていないんだろう

けど、心霊現象だと認めるつもりもない


情報が少なすぎる、と俺は小さくため息をついた

幽霊を信じるとは言ったが、科学的な思考を捨てたわけじゃない

血が跡形もなく消え去るなんてありえないんだ

何かあるな


朔夜「……ここで突っ立っていてもしょうがない」

俺は未だにワーワー言い合っている6人を見る

まぁ、そうだな

今はこの6人班を安全にこの場から離すべきだ

こうも興奮していては、もっと危険な行動をしてみようと思い立ってしまう可能性だってあるし


『よし、一旦ゴールに向かおう。あ、ライト付けろよ?俺らは教師にそう頼まれて、お前らを探してたんだからさ』

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HIRU - 更新ありがとうございます! 続きがでて、嬉しいです(人*´∀`)。*゚+ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 5e35832e7d (このIDを非表示/違反報告)
HIRU - 最高に面白かったです!! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 25cdd64a13 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新、ありがとうございます! とても面白いです! (2020年3月30日 15時) (レス) id: b3e83051c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってます! 続き、楽しみです (2020年3月27日 10時) (レス) id: f75b931708 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - ヤッバイ笑ニヤニヤが止まんないくらい面白いです。応援しています!頑張ってください! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 834fae0dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャビ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年3月22日 18時

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