15話 ページ16
彩side
あの電話から1ヶ月後
『私、転校するんだ。真白学園に』
KZのみんなを集め、私はすぐに本題に入る
この1ヶ月はずっと準備に追われていた
両親を説得し、受験をし、受かったら受かったで制服などの指定物を買いに行き
とにかく急がなければならなかったからKZへの報告は本当に最後の最後だった
若「真白学園!?」
小「すごいや。あの天才学園でしょ?」
上「ここ最近、急激に成績が伸びたのはこのためか」
黒「それだけ頑張ったって事だね、おめでとう」
翼「ん、おめでと」
忍「これで浜田には俺だけか。俺も転校するかなぁ」
みんなが思い思いの祝福をしてくれる中、私は場の雰囲気を壊すのもいとわずに言葉を続ける
『それで、KZ辞めたい』
その途端、真冬の極寒の中に放り出されたように場の空気が凍りついた
みんなの変わりように私は少し後悔した
ちょっと話を飛ばしすぎたかもしれない
真白学園は立花家でも十分に通える場所にあるから引っ越しの必要性はない
それに全寮制でもないからただ通う場所が変わるだけ
今みんなに提示した情報では、私がKZを辞めたいと言い出す理由にはならなかった
みんなは世界が終わると聞かされたように衝撃と疑問の表情をしていたし、国語のエキスパートとして恥ずべき事なのかも
もっと考えて発言しよう
『えっと、急にごめん。詳しく説明するからちょっと待ってて』
モブ「ね、あれってさ」
モブ「Apexのグレイだよね」
モブ「え、嘘!私超ファン!」
俺が思っているよりもApexは有名らしかった
その証拠に俺がカフェテリアに入っただけで注目の的になっている
説明するには話題に出さざるを得ない本人がいるのが一番だ
一旦カフェテリアから退出し、人目がつかないところでApexの制服であるパーカーを着た
この様子だと気付いた生徒はいないらしい
たくさんの視線を感じながら俺はまっすぐKZが座っている席に向かった
『初めまして。俺は探偵チームApexのグレイ。先月は勝手な都合で欠席し、申し訳なかった』
そう言いながら俺はKZだけに顔が見えるよう、フードを少し上げる
6人はあり得ないほど目を見張り、現実が信じられないと言いそうなほど俺を直視していた
本来Apexのグレイは茶髪のウィッグを被り、さらにフードまで被っている
すぐに立花彩だとわかるように俺は今回ウィッグを被らなかった
だから身バレのリスクがあり早々に退出したい
俺はKZの誰にも見せたことがない、グレイの笑顔で話す
『ここだと目立ってしまうから授業が終わった後、例の喫茶店で』
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HIRU - 更新ありがとうございます! 続きがでて、嬉しいです(人*´∀`)。*゚+ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 5e35832e7d (このIDを非表示/違反報告)
HIRU - 最高に面白かったです!! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 25cdd64a13 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新、ありがとうございます! とても面白いです! (2020年3月30日 15時) (レス) id: b3e83051c6 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 更新待ってます! 続き、楽しみです (2020年3月27日 10時) (レス) id: f75b931708 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - ヤッバイ笑ニヤニヤが止まんないくらい面白いです。応援しています!頑張ってください! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 834fae0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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