14話 ページ15
彩side
まさか!
『貸せ!』
反射的に受話器を奪い取り、通話ボタンを押す
あいつからの接触はちょうど3年ぶりだ
このまま着信拒否ができたらと考えながら電話をスピーカーフォンに切り替える
『はい』
聞こえてきたのは、この場に似合わない明るい声だった
??「お、その声は春だね?冬と闇も元気かな?」
こいつが俺らを作った……
最悪な気分で俺は噛みつくように答える
『俺らの名前は立花彩、雪花氷月、御影朔夜だ。ザン カイヤナイトも忘れるな』
その言葉の何が面白いのか、電話の向こうのあいつはフフッと笑う
??「そうだったね。忘れてたよ」
何が忘れてた、だ。わざとのくせに
受話器を投げ捨てたいのを必死に抑えながら、声を絞り出す
『用件は?』
その言葉にあいつは何でもないことのように返してきた
??「君ら、意図的に目立たないようにしてるよね」
『……』
??「私はね、君らを作ったことを誇りに思ってる。だけどその傑作達がレベルを下げてまで目立たないようにしてるなんてあんまりじゃないか。なぜ君らがそこにいるのかわかっているだろうに」
『なぜ目立たないようにしているか、わかっているだろ。……あそこに連れ戻すのか?』
俺らが生まれ、育てられた……
??「まさか。そんなことしたら面倒だし、何よりつまらないじゃないか。もっと面白いことだよ」
電話の向こうから微かにキーボードを叩く音がする
__ピロン__
間も無くして氷月のスマホが着信を知らせた
メールを開くと、何かのホームページのURLが表示される
氷月「なんだ、これ」
??「いいから開いてみてよ。ウイルスじゃないからさ」
そう言われ、氷月は仕方なくURLをタップした
ザン「
真白学園といえば世界でも有数の偏差値を誇る学校だ
その学校に入学できる者はハーバード大学に入学する者の頭脳を優に超えているといわれている
??「要求はその学園に通う事、Apexの活動時にフードを被らない事、本気を出す事の3つだ」
な……
氷月「お前!何を今更!」
氷月が叫ぶように問いかけるも本当は全員わかっていた
こいつの目的は、自分の実力がどれほど世界に通用するか知りたいというただの自己満足
だからこそデザイナーベビーという迷惑な事に手を出し、俺達をモルモットとしか見ない
あいつは俺らの実力を知らしめたいからこそこんな要求をするんだ
だから俺達は今まで目立たないようにやってきた
あいつから見れば可愛い反抗だった事だろう
??「これは命令だよ。歯向かえばそれ相応の対応をするから、ね」
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HIRU - 更新ありがとうございます! 続きがでて、嬉しいです(人*´∀`)。*゚+ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 5e35832e7d (このIDを非表示/違反報告)
HIRU - 最高に面白かったです!! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 25cdd64a13 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新、ありがとうございます! とても面白いです! (2020年3月30日 15時) (レス) id: b3e83051c6 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 更新待ってます! 続き、楽しみです (2020年3月27日 10時) (レス) id: f75b931708 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - ヤッバイ笑ニヤニヤが止まんないくらい面白いです。応援しています!頑張ってください! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 834fae0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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