冷たい服従【灰谷蘭】

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「おー、どうした？クズ彼氏なら今出かけてったぞ。一緒じゃねーのか」



ソファでスマホを見ていた目をこちらに移す三途さんの言葉を無視して会談室の奥へ入っていく

余計な話はしなくていい

そのまま三途さんの腿の上に乗っかって首に手を回す



「は？」ときょとんとした声を出される

朝から唐突すぎるなんて、重々承知の上



『三途さんって外回りで忙しそうですけど、溜まったりしないんですか』



「……どういうつもりだよクソびっち」




暴言を吐かれるけど抵抗はされなかった

誰でもよかった

顔が綺麗ならあとは気にしない

1度唇を重ねると、早くこの羞恥心を感じる時間を飛ばしてしまいたくて、早速三途さんのシャツのボタンを外す





「灰谷の女がそんなんでいーんだか……」


と、私にボタンを外されてる三途さんは呆れたように呟いたが、受け入れる気満々なようだったので有難い




「おい待て、良くねーだろ他でやれ」




私なりの腹いせを邪魔したのは九井一だった

よく部屋の中を見てなくて、居るのに気が付かなかった




「小堂A、お前は死体処理に行く仕事があるだろ」

『………そんなの聞いてないです』


「は？蘭に伝言頼んだはずだが」

「知らないし、死体処理とか部下がやるもんじゃないんですか」




下敷きにしている三途さんにため息をつかれる



「おいおい、自分で作ったスクラップは自分で処理が鉄則だぞ」




何そのルール

知らない



「蘭の野郎、どういうつもりだよ……」



頭を抱える九井さんを見て何となく察する


じゃあ、私が昨日殺したおっさんも、不特定多数の敵対組織員も、私が埋めなきゃ行けないってことなの



じゃあ昨日あいつが遅れて帰ってきたのは、今日朝早く出ていったのは………

女だって決めつけてたけど、根拠はないしドタキャンしたって言ってたし

頭の中で都合よく辻褄が合っていく



「……おい、その気にさせたんだから中断すんなよ」




青ざめる私の意識は三途さんに頬をぺちぺちと叩かれて戻った

返事をする前に、軽々と体を持ち上げられる


「移動すんぞ」

『あっ………』



呆れてる九井さんと目が合った

そうだ、私は、あいつに対しての腹いせで、誰でもいいからやってしまおうなんて、子供みたいな真似








『………っごめんなさい！！」

「は！？」




三途さんの胸を突き放すと、無理やり腕から逃れる

拍子抜けしてる二人の間を割って大急ぎで会談室を後にした

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