冷たい服従【灰谷蘭】

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「子育てってさぁ、ぶっちゃけどんなもんなんだろうな」


「さぁ。俺に聞かれても」




久しぶりの竜胆の部屋でくつろぐ時間はとても快適だ


Aと過ごす時間は息が詰まる


息が詰まるほど俺が気を使ってるってこと





束縛だってもうやめたし






「産まれてくるガキの前にまずはAサンのケア考えてやったら？」

「なんか手馴れた言い方だな。もしかして隠し子いる？」

「は？俺は死んでもガキはいらねぇ」

「俺もそう思ってたんだけどね。いやぁ、人生何が起こるか分かんねぇな」





適当に女を取っかえ引っ変えしていくのが面倒になって、1人に定めるようになったのはわりと最近の話だ




1人目は俺の女遊びに理解のない奴で、耐えられないと言って勝手に死にやがった

2人目も似たようなもんだ
別の男と駆け落ちしたところを三途一隊の奴らが見つけて殺した

3人目は執着心が特にすごくて俺の方がうんざりしていた時期にAが殺した





あいつは1番俺を毛嫌いしていたけど、どんなことも受け入れてくれた

それは服従という形をとっていたからだと分かってるけど







Aになら自分の人生を捧げても構わない









着信音が響いた





竜胆との会話も途切れていたのでスマホを持ち上げる






「………お、噂をすればじゃん」





携帯を覗き込むなり他人事のように言い捨てる竜胆に腹が立った







Aからだった





少しだけ躊躇った







何故か怖かった

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