冷たい服従【灰谷蘭】

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25日当日



九井さんの言う通り、反社のおっさん共も浮かれてる時期だったので何件か仕事もした



そのうち1件は珍しく手こずってしまった

情報を聞き出した後にしつこく体を強要されて最後までやらざるを得なくなったのだ

しかも超下手くそ

梵天の幹部らは上手いから、尚更キツかった







ホテルを出るとはらはらと雪が降っていて肌寒い

最初っから最後まで鳥肌が止まらなくて行為後ゆっくりもしてられずさっさと出てくると蘭と居る時には感じない喪失感が襲いかかってくる


こんなにも早くあいつのいる家に帰りたいと思ったのは初めてだ


蘭、怒ってるかな


スマホを確認すると4時間前にメッセージが届いていた






クズまだホテル?おそくなーい?

クズ早くしないと別の女食うよ




文面ではガチなのかいつものジョークなのか伝わってこないけどその後の4件の不在着信で察する


あいつは1日有給とってたけど結局大人しく家で過ごしてたのだろうか


そう考えると申し訳ない気持ちの方が勝って帰路は自然と足どりが速くなる



待ちくたびれてホントに女連れ込んでたりしてね





『………ただいま』




施錠されてたので鍵を開けてそおっと中に入った

女物の靴は置いてなくて

それどころか玄関口には1足も靴が出ていなかった






『………蘭？』





リビングの電気はついてる





でも人の姿はなかった

ベットルームやお風呂場も見て回るけどリビング以外はどこも電気が消えている

スマホを開くけど、追加通知は何も無い





『………』






やってんな


持っていたバックをストンと床に落とす



私が馬鹿みたいだ

そうじゃん

4時間も待ってくれるような優しい彼氏なんかじゃないじゃんあいつは

あいつはそういう男

そもそも今回は遅くなった私にも非があるし





そう割り切ってキッチンに向かった

酒もない

ゴミ箱を確認すると大量の缶が入ってる

既にあいつが全部飲んだらしい



深く重いため息がこぼれた


仕方ない、酒がないとやってられないしコンビニでも行こ



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お酒とちょっと高いアイスクリームを買う

バニラと、もう1個ストロベリーも一緒に





今年のクリスマス、結局1人で宅飲みして終わることになりそう

家で浮気中の彼氏を待ちながら

ある意味初めてだわ、そんなの





外、寒いなぁ………


これからもっと吹雪くらしいし、蘭は帰り大丈夫かな

まず、帰ってきてくれるかな






「……A?」

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