冷たい服従【灰谷蘭】

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額には傷が残った


仕方なく前髪を作って隠すと蘭に朝から可愛い可愛いって散々セクハラ食らう


こんなんでも自分がまだ誰かに必要とされてるなら……って現状に満足してる自分が虚しい




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「なぁA、今夜ちょっと付き合えよ〜」


事務所の一角でパソコンと向き合う私に三途さんは肩を組んでくる



『……今日生理なんでパスで』

「まだなんも言ってねぇだろ」




外回りの仕事は毎日入ってるわけじゃないから普段は人事の仕事を手伝うようになった


隣には九井さんが作業してるのでなんか気まずい


三途さんと九井さんとは成り行きで何回か致してるけど片やクレイジーなので清々しくて逆に助かる




まぁ、身も心も疲れるからしばらくは灰谷蘭以外とそういうことするのやめようと思ってるけど

結局私が一緒にいて幸せなのは、ボス一択なんだよな






「ココちゃ〜ん」




休憩中の三途さんに邪魔されつつ仕事していると私の天敵主人が入室してくる


「あ、Aだ」と手を振られたけどすぐさま目線をパソコンに戻した

九井さんもこいつの事があまり得意じゃないようでげっと顔を歪める




「あのさぁ、25日有給とっていー？」




気にしない気にしないと暗示していたのにしっかりムカついてしまった

また女と遊ぶ気だ。絶対そうだ。



「はぁ……？クリスマス休むヤツら多すぎるだろ」


九井さんはチラリと三途さんの方を向く


「………俺はいつもマイキーの介抱で忙しいんだよたまには休ませろ」



深くため息をつく九井さん



「……どうせお前もだろ？A」

『えっ？』



まさかの飛び火だった



「蘭と過ごすんだろ？」


「はぁ！？おっさん共も浮かれてるクリスマスだぞ！ハニトラの正念場じゃねぇか！働けや！」




三途さん、それはパワハラだよ

さっき断った腹いせかな

生理ってのは嘘だし、ちょうど浮気性彼氏もいるし、受け入れても良かったかも

なんてね





『………別に出勤出来ますけど』



小さくそう言うと沈黙が流れる



「は……じゃあ蘭は休んで何すんだ」

「さぁね」



うっざ

この前ちょっと弱みを見せたせいでさらに舐められた気がする


この話もう終わりで良くないか



「……なんかこの空気感きちぃから俺仕事戻るわー」


空気を読んでくれたのはまさかの三途さんで、きまり悪そうにさっさと出ていった




「は？どういうことだよ……」




すみません九井さん、三途さん


私達、まともなカップルじゃないので

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